オーロラ日本語奨学金基金(阿岸明子代表)主催による「米国高校生による日本語スピーチコンテスト全米大会」(実行委員長住山弘)がこのほど、カリフォルニア大学アーバイン校(UCI)で開催された。全米から選ばれた15人が熱弁を披露し、サンディエゴから出場したダコダ・ストラックさんが優勝、米国代表に選ばれた。今回は第10回を記念して日本語に関心をもつ多くの学生、教師、支援団体の人たちも招かれ、スピーチに聴き入った。
同コンテストは、米国で日本語を学習するノンネイティブの高校生に日本語学習意欲を高めるために発表の場をつくり、また日本で開催される世界大会への米国代表を選ぶ全米大会を目的として、毎年開催されているが、今年は節目の大会ということもあり、UCI の協力を得て例年より規模を拡大した。
今年も東はニューヨーク、北はアラスカと全米各地区のコンテストで入賞し推薦を受けて応募、さらに一次選考に残った15人がアーバインに集結、それぞれ個性的なテーマでスピーチを競った。
会場には、多くの来賓、学校関係者、ホストファミリーが参加した。審査はローレル・ラスプリカ・ロッド審査委員長(コロラド大学ボールダー校教授)を含む7人の審査員によって厳正に行われた。最優秀賞を獲得したストラックさんは、「僕と母との関係」というタイトルで、自分の今の人生に大きく影響を及ぼした母親との複雑な関係を、思いを込めてスピーチした。ストラックさんにはJBA(南加日系企業協会)より奨学金1000ドルと、日本国総領事館からトロフィー、アーバイン市長賞などとともに、日本行きの往復旅券が贈られ、今年7月に日本・東京で開催される世界大会に米国代表として出場することになる。優秀賞にはアンドリュー・キムさん(テキサス)、優良賞にはダニエル・キムさん(ニュージャージー)が決まり、それぞれ賞状、賞金と盾ならびにアーバイン市長賞が贈られた。
生徒たちはそれぞれ、オレンジ郡在住の日本人の家庭にホームステイし、日本の家庭の雰囲気に接するとともに、地元日本人学生との交流などを通じて、日本の文化を体験する機会を持った。
住山実行委員長はあいさつの中で「こうして10年間にわたりスピーチコンテストが続けてこられたのは、この趣旨に賛同して共催してもらった全米日本語教師会、在ロサンゼルス総領事館ほか多くの公共団体、企業さらには献身的に運営にあたっていただいた実行委員、ホストファミリー、ボランティアの皆さんのお蔭である」とあらめて感謝の意を表した。