日系コミュニティーの真夏の祭典、第73回二世週祭(スティーブ・イノウエ実行委員長)は14日、南加日系社会の発展に尽力したパイオニア6人をたたえる昼餐会を小東京で催し、会場に集まった約300人は6人の努力と貢献にあらためて感謝した。
今年の受賞者は、出村文男さん、比嘉朝儀さん、窪田孝行さん、ノリ・ウエマツさん、山口淑子さん、山崎清司さんの6氏。
あいさつに立ったイノウエ実行委員長は、パイオニアたちが無私無欲を貫き、一から日系社会を築き上げたことに心から感謝の意を表するとともに、「先輩方の努力を決して無駄にせず、われわれが次世代の若者に引き継ぎ、遺産をしっかりと継承していかなければならない」と力強く語り、「二世週祭はこれからも、日系社会の礎を築いたパイオニアに感謝し、敬意を払い続ける」と約束した。
続いて、日系団体を代表し、在ロサンゼルス日本総領事館、南カリフォルニア日系企業協会、南加日系商工会議所、南加県人会協議会からそれぞれ代表者が祝辞を述べ、受賞者一人ひとりの卓越したリーダーシップ力やボランティア精神に最大級の敬意を表した。
司会の岡本雅夫さんからあらためてその功績を紹介された受賞者6人は、ロサンゼルス市と二世週祭委員会からそれぞれ賞状を授与され、会場に集まった多くの人から祝福の拍手を受けた。
受賞者を代表してウエマツさんが謝辞を述べた。ウエマツさんは、「自分は2世の中でも若い方で、今回の受賞はしかるべき時にしかるべき場所にいただけ」と謙遜。日本から海を渡りアメリカの地に下り立った1世が土地を借りることも、所有することも、また市民になることも認められなかったことや、アメリカで生まれた2世ですら厳しい差別と闘い続けなければならなかった歴史に触れ、「彼らが日系社会の基礎を作り上げた」と、次世代のよりよい生活を思い、無私無欲で戦い続けたパイオニアの不屈の精神を称賛。「われわれは、彼らの尽力を決して忘れてはならない」と力強く訴えた。
受賞者は、11日に小東京で行われたグランドパレードに参加。家族らとともにオープンカーに乗り、沿道からの声援に応えた。
【中村良子】