先日、娘がカゼをひいたとかで大学の病院へ行った。もともと骨が細い体格なのだが、ドクターの目には拒食症とうつったらしい。結果、栄養士にまわされた。
 身長から割り出した体重が平均値より少ないのが理由だとか。こういった経験を持つ人は、ままいるらしい。
 栄養士がいうところの食事は、僕らから見ればアメリカ人の脂肪太りを助長させるようなメニューで「とにかく食べろ」だったらしい。素直な娘はいうことを聞いて無理やり食べていたようだが、苦痛に感じていたのでは、とはた目に思った。へたするとそれこそ拒食症になるぞ、といらぬ心配をしてしまった。
 ま、おかげで娘の下半身は少々プニョっとなってしまったが。
 今は肉類も野菜も食べるが、小さいころは料理でセロリやニンジンを準備していると、おやつがわりにつまみ食いをするほど野菜が好きで、肉を食べさせるのが大変だったことを思い出した。
 幸い魚介類は好きだったので、動物性たんぱく質には不足しなかったと思うし、バレエを習っていたのでそれなりに体も動かしていた。娘のママ友からは「どうしたら痩せさせられるの」などとこちらの苦労を知らぬ質問をされたことも。
 メニューからいえばたしかに下宿中は満足に料理ができず貧しい食事だったようだが、それは一時的なこと。家に戻ればちゃんと作って食べる。友だちと食べに行ってもよく食べるのは仲間内では周知の事実、割り勘すると得な胃袋だとか。
 ちょっと話がずれたが、専門家はどうしても目の前の数値やうまくいった先例を習慣的に実行する傾向にあるのでは。一日何キロカロリーの食事をとり、何時間の運動をして、何時間寝て、などなど。
 いわれるようにしようとしてもプロ選手や俳優さんじゃない身としては、時間かお金かその両方が足りない。また、人によってメタボリズムは違うのではとも思う。俗に水を飲んでも太る体質とか、何を食べても素通りして太らない人とか、運動してもやせない人とか。
 素人考えではあるが、専門家ならば個人の普段の習慣、体質を十分理解した上で示唆を与えてほしいもんだ。【徳永憲治】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *