ウエストLAから来た吉川富士子さん(81)は、白内障を患い右目の視力をほとんど失ったため「あっちにぶつかり、こっちにぶつかりしている」という。運転ができないため、この日はアーバインに住む娘のエツコ・ヒデさんに連れられて参加した。加齢黄斑変性を指摘され「丁寧な説明を受けて安心した。予約を取って診てもらいに行く」と述べた。娘のエツコさんは「母は我慢する人で、医者に行きたがらない。でも今日、先生のアドバイスをもらい、行く気になったのでよかった」と話した。
小東京タワーズに暮らす川井カナさん(73)は「目がしょぼしょぼして本の文字が読み辛くなった」と、白内障の自覚症状を持ちながら心配していた。掛かり付けの医師はパサデナのため検眼が億劫になっていたといい「眼鏡を新しくすれば、よく見えるようになる」と自身に言い聞かせていたという。だが、クラタ医師からやはり白内障の疑いを指摘され「早速、クラタ先生のところに行って診察してもらう。診てもらうまでは不安だったけど、診察を受けて良かった」と喜んだ。
平野会長によるとリトル東京支部は、目の不自由な人や病気の子どもを助ける地域活動に力を注いでいる。アイモービルは、国際ライオンズクラブの支援を受け1975年に始まり、日系高齢者を対象に毎年開催している。平野会長は「白内障や緑内障は、失明につながる恐れがある。手術で治るので、診察を受けた方がいい」と、アイモービルの意義を強調。100人の参加に胸を張り「参加者に自分の目の症状を知ってもらって、喜んでもらえてうれしい」と述べた。【永田潤、写真も】