敵の得意プレーのリードオプションを阻止しようとする鈴木(中央)
敵の得意プレーのリードオプションを阻止しようとする鈴木(中央)
 米女子アメリカンフットボールリーグ「WFA」のプレーオフが19日、各所で行われ、アメリカン・カンファレンス決勝は、鈴木弘子の所属するサンディエゴ・サージが本拠地でカンザスシティ・タイタンズと対戦し59―14で勝利を収め、全米選手権進出を決めた。サージは、ナショナル・カンファレンスを制した小倉典子がプレーするボストン・ミリッシャと8月2日、シカゴで全米一をかけ対戦する。

相手チーム最重量の巨漢選手とぶつかり合う鈴木(右)
相手チーム最重量の巨漢選手とぶつかり合う鈴木(右)
 アメリカン・カンファレンス決勝戦で、サージは試合開始早々から先制のタッチダウンを決めた。その後も得点を挙げるものの、インターセプトを許したり、キックオフリターンでミスするなど失点し、25―14で前半を終えた。
 後半は、自力に勝るサージが、ランを主体にタッチダウンで得点を重ね圧倒。前半と打って変わったミスをなくした鉄壁の守りで完封した。鈴木はディフェンスエンドで活躍したが後半、右足の甲を負傷し途中退場した。鈴木のチームメートで日本人の母親を持つサンディエゴ在住のシノブ・ウィリアムズはこの日、ラインバッカーとして出場した。
 サージは、今季レギュラーシーズン8勝0敗、プレーオフでも3戦全勝と、圧倒的な強さを誇る。全米選手権には、チーム創設4年間で3度進出しており、2年ぶり2度目の全米王者へ、あと1勝に迫った。
 鈴木によると、チームはレギュラーシーズンは、無難な試合運びで、控えの選手を起用する余裕も見せ、プレーオフに勝ち上がった。プレーオフでは、相手に攻め込まれた危ない試合があり課題も残すが、鈴木は「全米選手権までの2週間でみんなで修正し、絶対に優勝したい」と、自身2個目のチャンピオンリング獲得に向けて意欲を示す。プロ15年目のベテランは、今季も相手に徹底的に研究されながらも勝利に貢献し、強豪チームでさらなる躍進を遂げた。怪我を押して毎試合出場し、カンファレンス決勝戦で傷めた足は腫れが引かず痛むが「ここまで来れば、やるしかない」といい、満身創痍で頂点を目指す。【永田潤、写真も】
アメリカン・カンファレンスを制し、笑顔のシノブ・ウィリアムズ(右)と鈴木弘子
アメリカン・カンファレンスを制し、笑顔のシノブ・ウィリアムズ(右)と鈴木弘子

シノブ・ウィリアムズ(中央右)は、ディフェンスエンドでもプレーした
シノブ・ウィリアムズ(中央右)は、ディフェンスエンドでもプレーした

勝利を目指して全力プレーの鈴木弘子(左、79)
勝利を目指して全力プレーの鈴木弘子(左、79)

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