歩行者信号に秒読み時計と点滅信号が表示された後に横断歩道に足を踏み入れたことで違反切符を切られ、約200ドルの罰金を支払った経験を、5月3日と31日付の「磁針」で書いた。その反響は大きく、私同様、多くが同法律を知らない、または誤解していることが分かった。
 LAPDのテリー・ハラ副本部長にこの話をすると、説明会に出てくれると快諾。7月31日付の紙面に記事を掲載したように、小東京BIDらの協力を得て開いた集会には、約40人が集まり、このあまり知られていないルールをはじめ、歩行者、ドライバーが知っておくべきルールをあらためて学んだ。
 多くの人は、車の免許を取得する際に交通ルールを勉強するが、だからといって、そのすべてが明記された4インチほどの厚みのある「Vehicle Code Book」を購入してすべてを網羅している人は少ない。
 一方、交通ルールには歩行者も知っておくべきものもたくさんあるにもかかわらず、車を運転しない人はこれらの情報を得る機会がほとんどないのが現状。特に、住宅開発によりダウンタウンの住民は7年前から2倍の5万2千人を超えるまでに急増し、昼夜を問わず歩行者を見かけるようになった今、歩行者を対象とした交通ルールの周知は重要だ。
 日本同様アメリカでも、交通局や警察から担当者が小学校などに派遣され、定期的に交通安全教室が開かれているそうだが、成人してから渡米した人や高齢者、英語が得意ではない移民などは、正しい情報を得る機会が少ない。
 今回の違反チケットをめぐる一連の流れを経験し、高い罰金の支払いを避けるためにも、また安全を守るためにも、各自、日常生活に密接に関係した交通ルールを意識的に学ぼうとする姿勢が大切だと実感した。
 LAPDやメトロには、企業や団体からの要望に応じ、交通課の巡査を派遣して交通安全教室を開いてくれるプログラムがある。日系コミュニティーでも、定期的にこのような交通安全教室を開く必要性を強く感じている。【中村良子】

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