ここのところ、有名な俳優が続けて亡くなった。
7月28日にジェームズ・シゲタが亡くなった。
記憶に残っているシゲタというと、こちらに来たころテレビで見たミュージカル映画「フラワー・ドラム・ソング」。
ご存知の方も多いと思うが、この「フラワー…」はサンフランシスコの中華街が舞台のミュージカル。ナンシー・クワン、ジャック・スーのアジア系名優にまざり、シゲタ、ミヨシ・ウメキの日系・日本人が主役を演じている。ちなみにこのウメキさん、ゴールデングローブ賞のミュージカル・コメディー部門主演女優賞、ブロードウェーで演じた同じ役でトニー賞のミュージカル部門最優秀女優賞にノミネートされていたようだ。
他の日系ではシゲタを慕う可憐な女性をレイコ・サトウが演じているが、ダンスが美しい。後で知ったことだが、彼女の歌の吹き替えをメゾソプラノのマリリン・ホーンが演じていたとか。
8月に入って11日にロビン・ウィリアムズ。12日にローレン・バコール。
まちがって、とっくに亡くなっているイングリット・バーグマンが死んだとカミさんに言ったら、仕事場で話して笑われたと後でしかられた。
バコールといえばハンフリー・ボガートと共演した「To Have and Have Not」の中の「用事があるなら口笛吹いて」が有名か。ただしこの台詞は映画にはなく、ポスターに書かれたのがはやったようだ。
拙訳で申し訳ないしちょっと長くなるが、映画では「何もしなくていいのよ。そう、たぶん口笛を吹いたらいいわ。口笛の吹き方は知ってるでしょ、スティーブ? 唇を合わせて…吹くだけ」となる。
当時彼女は20歳。ボガートが一目ぼれして翌年結婚。眉唾ものの裏話だと彼はバコールにほれたのではなく、彼女がやった「スリム」役にほれたので、バコールはボガートの前では彼が死ぬまでその役柄を貫き通したとか。
バコールとバーグマンはアガサ・クリスティーの映画「オリエント急行殺人事件」で共演している。個人的に気に入っているいち押し映画のひとつ。もう一度引っ張り出して楽しもうかな。【徳永憲治】