演芸会の第1部は、県人会協議会に加盟する13の県人会から、多芸多才な出演者が18演目を繰り広げた。郷土色豊かなお国自慢の出し物が、次から次へと演じられ、会場を大いに沸かせた。
奨学金の授与式では、各受賞者に賞状と1000ドルのチェックが贈られた。また、同奨学資金の運営に尽力した浅見紳太、伊藤富雄、野崎住吉の3氏が特別功労者として表彰された。当銘会長があいさつに立ち、各来賓が祝辞を贈った。
育英奨学金の受賞者は、将来が嘱望される長井翔さん(珠算、算盤、暗算)、木村名実さん(日本語)、金川晴佳さん(小倉祇園太鼓)、ジョセフ・神谷さん(沖縄三線)の4人。受賞者を代表し、木村さんがきれいな日本語で謝辞を述べた。日本人、日系米人として両国の文化の狭間で生きてこられた理由を「県人会や日系社会のみなさんのおかげがあったこそ」と、感謝に堪えない様子。「受賞を励みにして、日本の伝統と文化、和の心のすばらしさを大切にし、未来の世代に伝え、日米の懸け橋となり貢献したい」と抱負を語った。
五島有紀、熱唱で観衆魅了
「日米の懸け橋になれた」
第2部では、特別ゲストの演歌歌手、五島有紀が抜群の声量で熱唱し、観衆を魅了した。選曲は、参加者の年齢層に合わせたといい、美空ひばりの「川の流れのように」や、懐メロ、民謡メドレーを聴かせた。オリジナル曲は「夢のかけはし」を含む3曲を披露。歌のみならず、得意の話術でも笑い
長崎出身の五島は、同県人会の前田拓会長から花束を贈られた。「海がきれいで、静かな町」などと、上京する16歳まで過ごした故郷の魅力を紹介する一方で、被爆にふれて平和の尊さを訴えた。演歌歌手としての誇りを胸に「先輩たちが歌った名曲や懐メロを、われわれ若者が歌い継いでいきたい」と抱負を述べた。
リクエストに応えて計8曲を歌い上げた五島は「緊張したけど、みなさんに歓迎してもらったので、ほぐれた。大きな拍手と声援をもらい感激した」と喜んだ。県人会協議会の活動については「故郷を大事に思い、50年も活動している。若者も育て、日本文化を守っている」と感服した。文化伝承の受賞者4人に向けて、演歌を歌い継ぐ自身に通じるとし「頑張ってほしい」と前途を祝した。初のLA公演について、持ち歌にかけて「日本とアメリカの『懸け橋』になることができた」と胸を張った。