
南加福岡県人会(宗伸之会長)は5日、77歳以上の会員、今年金婚式を迎えた1組の会員夫妻、総勢29人を招待し、モンテベロ市のクワイエットキャノンで敬老祝賀会を開催した。参加者たちは、日本舞踊や民謡などの余興を楽しみながら、メンバーの長寿と健康を祝った。
宗会長は、これまで同県人会の発展のために尽力してきた先輩たちに敬意を表すとともに、これからも若い世代の積極的な参加を呼び掛けた。
参加者の中で最高齢者はモントレーパーク市在住の御堂潔さん。1923年生まれの91歳だ。アイダホ州で生まれ、3歳の時に日本に渡り、幼少、青年時代を日本で過ごした。太平洋戦争勃発前の41年に米国に戻り、戦争中は戦時転住所で過ごした経験ももつ。両親は島根県出身だったが、2年前に他界した妻の両親が福岡県出身だったため同会に入会した。毎年ピクニックや新年会に参加するのを楽しみにしているという。
数年前に足を痛めてからは参加が遠のいていたが、「なつかしい顔ぶれが揃っていてうれしい。みなさんに長寿を祝って頂けて本当にありがたい」と語り、メンバーとの再会を喜んだ。
女性最高齢はサンペドロ市在住の春藤美代子さん。1925年生まれの89歳で、11月に90歳を迎える。同市で生まれ育ち、両親は和歌山県出身だったが、夫の父親が福岡県出身だったことから入会した。
家族を大切にし、常に写真を持ち歩いているという。家族とともに毎日楽しく過ごすことが長寿の秘訣と説き、「入会して5、6年経つが毎年行われるピクニックには親子3世代で参加している」と話し、家族とともに楽しめるイベントは、一家にとって大切な年間行事のひとつになっているようだ。

今年金婚式を迎えたのは遠藤昇一さん、和子さん夫妻。昇一さんはさらに今年77歳になり、ファミリ―一同が出席する中、喜寿も祝った。
「こうしてみんなに喜寿と金婚式を祝って頂き感激している」と話し、来年も家族揃って同会のイベントに参加したいと語った。同席していた和子さんには「50年間、共に人生を歩み、自分を支えてくれた妻に感謝したい」と語り、長年の思いを口にした。
祝賀会では坂東秀十美師による日本舞踊のほか、松前会の民謡、小倉祇園太鼓による太鼓演奏などの余興も行われた。
同会は毎年秋に敬老会祝賀会を行うほか、新年祝賀会や夏のピクニック、ゴルフトーナメントなどを開催して会員同士の親睦を深めている。【吉田純子、写真も】