息子でLA市長のエリック・ガーセッティー氏(右)と写真に納まるギル・ガーセッティー氏。手に持っているのが、今回の写真集「日本、美しきものへの崇敬(Japan: A REVERENCE FOR BEAUTY)」
息子でLA市長のエリック・ガーセッティー氏(右)と写真に納まるギル・ガーセッティー氏。手に持っているのが、今回の写真集「日本、美しきものへの崇敬」
 ロサンゼルスのエリック・ガーセッティー市長の父で写真家のギル・ガーセッティー氏が7日、日本をテーマに撮った写真集「日本、美しきものへの崇敬」を発表し、サンタモニカ市にあるダンカン・ミラー・ギャラリーでサインイベントを開催した。友人やさまざまな分野で活躍する芸術家、息子であるLA市長らが出席する中、日本に対する熱い思いをスピーチし、米国人が見習うべき姿は日本にあると訴えた。【吉田純子、写真も】

 ガーセッティー氏はOJシンプソン事件などを担当した元ロサンゼルス郡検事で、現在は写真家として活動している。西アフリカのニジェール共和国の人々に安全な水を提供するための慈善活動も行っており、今年、ユネスコ水教育研究所の文化大使にも就任した。親日家で過去3年間に9回も日本を訪れ、「日本の美」を撮り続けている。今回の写真集にはその時に撮った写真が収められている。

「日本人が持つ他者を尊敬する心を見習うべきだ」と訴えるギル・ガーセッティー氏
「日本人が持つ他者を尊敬する心を見習うべきだ」と訴えるギル・ガーセッティー氏
  「日本はどの国とも違う美しい文化、国民性を育んできた」。会場に集まった人々の前で同氏はこう口を開いた。日本に初めて行った時からその美しさに取りつかれた。西洋人にこの美しい文化を伝えなければならない。それが自分の使命であると思ったという。この本はそのプロセスの始まりに過ぎないのだと。
 「自分は日本語が話せないが、日本を訪れるたびに人々の美しい姿、心にめぐりあう。言葉は通じなくてもその素晴らしさは伝わるのです」。何度も日本を旅して驚くのは、日本人が持つ相手を尊敬する心なのだという。その思いは人だけでなく、物にたいしても同じ。「白人は常に自分自身に焦点があっている。けれど日本人は常に他者を敬い、他人のことを考えて行動する。この精神をわれわれは見習うべきではないだろうか」
 写真集の中には京都の風景や日本各地の寺や神社のほか、日系人がハートマウンテンの戦時転住所に入所していた時、窓の外に見える山々の美しさを木に彫った作品の写真もおさめられている。「苦しい状況下でも自然を敬う精神は当時の日系人にも培われていた。われわれはその心を尊敬すべきだと思う」と述べ、写真集を通して多くの人に日本の美しい文化を知ってもらいたいと力を込めた。
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京都で舞妓を撮った写真を囲み友人らと写真撮影に納まるギル・ガーセッティー氏(右から2人目)と妻のスキ氏(右端)
京都で舞妓を撮った写真を囲み友人らと写真撮影に納まるギル・ガーセッティー氏(右から2人目)と妻のスキ氏(右端)

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