青森県人会館は、豊島さんが昨年、私財を投じて購入し所有する。「倉庫」などと揶揄されることもあるが、中味はまったく異なり濃く、県人会とねぶた囃子保存会の活動やねぶたを制作し保管する基地などと、郷土文化発信の重要な拠点となる「宝庫」である。豊島さんは「(治安が良いとは言えず)物騒なところにある」という一方で、「パレードの出発点に1ブロックと近く、『一等地』にある」と、胸を張るのが頷ける。8月16日のパレードでは、ねぶたと囃子、ハネトが、ここから一斉に「出陣」する。
新年会では、8期目続投が承認された奈良会長があいさつに立った。これまでの7年間会長を務めることができたのは、青森県人会の役員、会員と、県人会協議会など地域社会の支援に尽きる、などと謝意を表した。ねぶたについては「われわれの子どもであり、豊島さんが名付けた『青森二世』である」と強調し「ここからが大事なので、協力をお願いしたい。ねぶたで、日本人町に来る人をびっくりさせよう」と話し、囃子の稽古に励むとともに、オープンハウスへの参加を呼びかけた。観光大使については、来月5日に市長室を訪れ、就任するといい「青森の観光紹介のために、みんなで頑張ろう」と気勢を上げた。
昨年の二世週祭の実行委員長を務め、ねぶた関連では青森との交渉を行う岡本雅夫さんが祝辞を述べた。今年の二世週祭について「第75回記念を盛り上げようと、テリー・ハラ実行委員長を中心に頑張っている」と説明。ねぶた招聘のために2年準備したといい「2007年と09年に青森からねぶたを呼んで、多くの日本人が参加して盛り上がった。このたびも、青森のみなさんの協力が必要です」と呼びかけた。
乾杯の音頭を囃子保存会メンバーの山村俊夫さんがとり、昼食をともにした。エンターテインメントはもちろん、これしかない。「ドーン」と、轟く太鼓を合図に演奏開始。ねぶた囃子のメンバーが、笛と太鼓、鉦の音を響かせると、釣られた参加者はハネトになったように「ラッセラー」と叫び、本番さながらの熱演で盛り上がった。会が最高潮に達したところで、三本締めで閉会した。
奈良会長は「今年は二世週祭75回記念と、ねぶた祭が重なり大きな節目になるので、例年とは違って腹を決めている」と意気込む。ねぶた祭の準備と、青森からのゲストの接客などで忙しくなるといい「苦しみが大きいだろうが、楽しみも大きい。『二世ねぶた』の産みの苦しみを、楽しみに変えることができるように、みんなで頑張って成功させたい」と抱負を述べた。
二世週祭と県人会、囃子保存会は、ねぶたオープンハウスの参加者と、囃子のメンバー、ハネトを募集している。問い合わせは、岡本さんまで電話626・943・8882。メール―
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【永田潤、写真も】