今年で20回記念を迎えたショーは年々規模を広げ、さまざまな人種、文化、芸術が溶け合い、個性豊かなアーティストが活動する多様性のあるロサンゼルスの芸術界の発展に大きく寄与している。今年は世界22カ国から120の画廊が出展。約2万点は、現代アート、20世紀の歴史的傑作、伝統工芸、紙細工など、地元の芸術愛好家が欲する作品が一堂に会する。西洋芸術が主流のショーだが、最近では日本、中国、韓国などアジアの多くの画廊が参加することで、東西芸術が融合する華やかなアートショーになっている。
若手からベテランまでが揃った日本人アーティストの作品は、すべて現代アート。シュールレアリスム(超現実主義)が多いのが特徴で、彫刻、絵画、フォトアートなどを披露する。16日には、日本人アーティスト5人が、パネルディスカッションに参加し、自身の作品や日本の芸術ついて紹介を行う。
訪米したアーティストと画廊のオーナーなどがショー開幕の前夜、堀之内秀久総領事により公邸に招かれ、レセプションに参加した。あいさつに立った総領事は「芸術は、国境がなく世界中に受け入れられる」と力説し、同ショーについては「全米のみならず、世界中から注目が集まっている。日本というものを見てもらうチャンスである」と期待を寄せた。
大阪で画廊「ワタナベファインアート」を経営する渡邊和泉さんは、3年連続で同アートショーに出展する。ショー参加の理由について「作品紹介と販売に加え、人と人とが親しくコミュニケーションを図り、お客さんやアーティスト同士の交流が持てるのがいい」と説明する。今回の日本人の作品を「若い人や質の高い作品を見てもらえると思う」と紹介した。油絵11作品を出品する奥山民枝さんは「オリジナル作品を見てもらわないと話にならない。印刷物では作家の魂までは、なかなか伝えることができないので、外国とアメリカの人たちに、われわれ日本人の現代美術のよさを見せたい」と抱負を述べた。
ショーを主催するキム・マーティンデールさんは、同アートショーについて「太平洋岸の国々にとって、ロサンゼルスは地理的のみならず芸術においても、アジアとラテンアメリカの中心地であり重要な役割を持っている」と開催の意義を強調。日本とアジアの芸術は、米国特に西海岸で人気が上昇しているとし「日本人アーティストの作品は、すばらしく、参加者に喜んでもらえる」と話し、来場を呼びかけている。
ショーの入場料は20ドル。オンラインの前売りは15ドル。
開館時間は、木曜から土曜が午前11時から午後7時まで。日曜は午前11時から午後5時まで。会場は、サウスホールのJとK。
詳細は、ウエブサイト―
www.laartshow.com
【永田潤、写真も】