難波会長が新年のあいさつに立ち、AAJUWの45年間の歩みを紹介した。毎年、カリフォルニアの大学に通い成績優秀な女子学生に奨学金を与えていることを強調。奨学資金集めのためのサマーコンサートやチャリティーバザーその他、さまざまなイベントへの多大な支援に謝意を表した。会長は、各奨学金受賞者を紹介した上で「各人が優秀な成績を収め、将来の最終目標に向かって励み、社会に貢献してほしい」とエールを送った。
飯塚さんは、12歳の時に入院した時に優しく看護されたことに感銘して看護師を志し、日本で「天職」に就いた。渡米した今は、開業看護師の資格取得を目指している。将来は、日本の看護界に対し、米国で修得したことを紹介したいとし「相互に利益になる二国間の橋渡しになりたい」と意欲を示す。松本さんが自閉症の研究に興味を持ったのは「日本語の『自閉症』というネガティブな意味に対し、英語はまったくの逆と感じたから」。将来は「小児脳科学者になり、一人ひとり症状が違う患者の治療と研究に努めたい」と志を抱く。中川さんは、教科書通りの教え方ではなく、日本のポップカルチャーなどを取入れ「生徒が興味を示す、日本語を楽しく教えたい」と目を輝かせる。また、教師に教え方を指導するための研究も行っており、日英バイリンガルの優れた人材を育成することを目標とする。東日本大震災の惨事に心を傷めた西さんは「優れた耐震性能を持った建物を設計し、何百万人という人々の命を地震から救いたい」と建築士を志した。日本の大学に留学して耐震設計を学ぶ意志を持ち「日本とアメリカの建築界のために役に立ちたい」と希望する。
ゲストスピーカーの石口玲さんが、2012年に車で「ルート66」を走破した1人旅について講演した。国立公園など各所で撮影した美しい大平原、峡谷、山などの絶景や、同旧国道沿いならではの古い建物やモーテル、のどかな牧場、田園風景などの写真を見せて説明し、参加者は旅行した気分を味わった。道中での老若男女さまざまな人々との出会いを紹介し「親切にされたことが嬉しかった。地元の人たちと話して、泣いたり、笑ったりするのが旅の良さ」などと、ふれあいを強調した。
AAJUWの会員数は、60人。ロサンゼルスの東、西各地区と、 バレー地区、サウスベイ地区・オレンジ郡の4支部がアイデアを出し合い、役員会がまとめる。活動は奨学金捻出のためのバザーやクラシックコンサートを開催するほか、地域貢献のための講演会や年末のホリデーパーティーなどを通して会員間の親睦を図るなど積極的に行う。難波会長は今年の目標として「奨学金集めの活動に力を入れるとともに、若い人に入会を勧めたい」と抱負を語った。【永田潤、写真も】