【中村良子、写真も】
トーレンス在住のサカグチさんは、日系バスケットボールチームで活躍する活発な14歳だった。そんな彼女の人生が、昨年6月23日に一変。友人家族と乗車した車がフリーウエー91号で後方からの追突事故に遭い、後部座席に座っていたサカグチさんは脳損傷、脊髄損傷、足の骨折に見舞われ、下半身不随となった。
集中治療室にいた1カ月間の記憶はほとんどない。しかしその間、多くのバスケットボール仲間、友人らに支えられた。「集中治療室には毎日友だちがお見舞いに来てくれ、声に反応して指を動かすリハビリをしてくれた。彼女たちのおかげで、医師や私たち家族にはできなかった『親指をあげる』『握手』『ピースサイン』ができるようになり、リハビリに大きく貢献してくれた」と、父親のウェスリーさんは感謝する。
リハビリ施設に移動してからは、過酷な日々が待っていた。車いすにうまく座れるようにする上半身のトレーニングをはじめ、血流をよくし、脳に刺激を与えるための歩行訓練を続けた。喉に装着されていた栄養チューブを外した後は、呼吸の仕方、しゃべり方を一から学ぶため、スピーチセラピーも開始した。
友人らの献身的なサポートのおかげで、サカグチさんは5カ月という奇跡的な早さで復学。学校でも、車いすを押してくれたり、荷物を運ぶのを手伝ってくれたりと、常にクラスメートが支えてくれている。
「Get Up 8」への連絡は、母親のナオミさんの同僚がしてくれた。多くの支援にナオミさんは、「言葉にならないほど感謝しています。お友達に限らず、まったく知らない方々からも温かいお言葉をかけていただき、とても恐縮しています」と感謝の言葉を述べるとともに、「ケリーが再び歩くことが出来るように奇跡を信じ、これからもリハビリに励んでいきたい」と話した。
サカグチさんは現在学校に通いながら、毎週火曜日と金曜日にはランチョロスアミゴスにあるリハビリ施設に、そして土曜日にはカールスバットにある「プロジェクト・ウォーク」でトレーニングを受けている。
同基金の沖田理事は、「ケリーはとても勇敢で、前向きな女性。われわれ基金の名『七転び八起き』の通り、何度転んでも諦めずに立ち上がり、笑顔で困難を乗り越えている。彼女の真の強さから学ぶことは多い」といい、Get Up 8として彼女を支援できることは光栄だと話した。
5月2日に予定されているアウトリガーレースへの参加費は1チーム250ドル。レースは男性、女性、男女共用と分かれており、5人一組で500ヤードを競う。当日は、レース以外にも子どもから大人までが楽しめるゲームやエンターテインメントなどがあり、イベント参加は1人5ドルのドネーション。イベントに参加せず、サカグチさんへドネーションをすることも可能。詳細は同基金のウェブサイトで―
www.getup8.org
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「Get Up 8」は2012年9月、ライアン・沖田さんら友人グループにより「困っている人を助けたい」との思いから発足。理事10人とスタッフは全員ボランティアで運営し、春に行うアウトリガーレースと秋に行うオークションイベントを通じて募金を捻出している。基金の名前は、何度失敗しても諦めずに立ち上がることを例えたことわざ「七転び八起き」から来ている。