開会式は、32年と84年に五輪が開催された歴史的なロサンゼルス・メモリアル・コロシアムで25日に催され、約8万人の観客が見込まれ、スティービー・ワンダーなどの有名アーティストも多数、出演し開幕に花を添える。
同大会はオバマ大統領夫妻が大会名誉会長、エリック・ガーセッティーLA市長とジェリー・ブラウン加州知事が共同大会委員長を務める。期間中、26競技がロサンゼルス全域の27会場で開催され、ESPN局が世界に向けて放送する。
公益財団法人「スペシャルオリンピックス日本」の理事長は、元女子マラソン五輪代表で、2大会連続メダル(バルセロナ大会銀、アトランタ大会銅)を獲得した有森裕子氏が務めている。有森氏は、現役時代の経験から「外国の大会では、日本語の声援は励みになる」とし、当地在住の日本人の応援を呼びかけている。
▽大会の競技は次の通り。
水泳、陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボッチャ、ボウリング、自転車、馬術、サッカー、ゴルフ、体操、新体操、ハーフマラソン、ハンドボール、柔道、カヤック、長距離水泳、パワーリフティング、ローラースケート、セーリング、ソフトボール、卓球、トライアスロン、テニス、バレーボール
スペシャルオリンピックス夏季世界大会・ロサンゼルスの詳細はウエブサイト―
www.la2015.org/
スペシャルオリンピックス
1968年、ケネディ元大統領の妹ユニス・シュライバー氏(ケネディ駐日米国大使の叔母)が当時、スポーツを楽しむ機会が少なかった知的障害のある人たちにスポーツを通じ社会参加を応援する目的で「スペシャルオリンピックス」を設立した。約50年におよぶ活動を経て、現在では世界170カ国以上、400万人のアスリートと100万人のボランティアが参加する国際的なムーブメントに発展している。
日本選手団一行は、開幕を控えた22日から24日まで、ホストタウンを務めるウエストコビナ市に滞在し、バーベキューパーティーや、野外でのコンサートなど、さまざなイベントに参加。異文化を吸収し、貴重な経験を積んでいる。行く先々で歓待を受け、親善大使としての役割もきっちりとこなしている。
フレドリック・サイクス市長は「ようこそ、ニッポンチームのみなさん。ウエストコビナ市は、みなさんを歓迎します。この3日間、いろんなイベントを用意しているので、楽しんでほしい」と呼びかけた。
同市は、栃木県大田原市と十数年来、姉妹都市関係にある。小中高の交換学生プログラムを持ち、毎年の夏休みに訪日する親日家が多く暮らす。沖縄系3世のジェームズ・トマ副市長によると、85都市のホストタウンの中で、いの一番で同市が受け入れの名乗りを挙げたという。日本チームのホストを希望し、抜群の実績から、もちろん認められた。
大田原市との草の根交流を推進する「東サンゲーブルバレー日系コミュニティーセンター(ESGJCC、フィリップ・コマイ会長)」は、メンバー約30人が奉仕し、全イベントでの通訳や音頭を一緒に踊り交流する。コマイ会長は、選手に向け「アメリカの
大和田団長は、同市の歓迎に「温かく迎えてもらい本当にありがたい」と感謝する。大会について「勝ち負けにこだわるのではなく、世界の仲間との出会いを大切にすること」と、参加の意義を強調。選手に対し「『ベスト』というよりも『持っているもの』を一生懸命すべて出し切って、達成感を持ってもらえればうれしい」と願った。
バスケットボールチーム主将の早船曜子さんは、初の世界大会参加に少々、興奮気味。予期せぬ大歓迎に「試合だけと思っていたので、びっくりしている。とてもうれしい」と喜んだ。選手団全体の雰囲気については「みんな緊張してたけど、ここに来て気持ちが盛り上がっていて、いい感じ」と述べ、大会に向け「今日1時間練習して、調子はいい。1勝、1勝を重ねて、ベストを尽せればいい。できれば金メダルをとりたい」と抱負を述べた。【永田 潤】