ゲートボールは1947年に日本で発祥した。ルールは簡単で、5人対5人に分かれ、スティックを使い、各チームが赤と白のボールを打つ。30分間で3カ所のゲートを通し、最後に中央のゴールポールに当て、総合得点で勝敗を決める。子どもから高齢者まで、年齢、性別、体力、ハンディにかかわらず、誰でも楽しむことができるスポーツとして親しまれている。戦術が重要で、団体競技ならではのチームワークが要求される。
競技人口は、世界45を超える国と地域で約1000万人、日本は60万人、最多の中国では500万人を数え、世界大会が4年に1度開かれている。高齢者のスポーツと思われがちがちだが、ジュニアの普及に努めるなど、若者も増えており、今大会には日本から20代の社会人と大学生の参加が見られた。
選手12人とともに来米した日本ゲートボール連合(本部・東京)事務局長の関口孝則さんによると、世界での普及は、まず日本人が旅行または移住した国々で紹介し、また海外在住者が日本に里帰りした時に覚え、各国に持ち帰ったという。そのため、今大会にも日系2世の参加が目立ち、日本語が「公用語」として会話が飛び交った。
今大会は、16チームがエントリーし優勝を競った。当日の気温は100度を超す炎天だったが、参加者は一打一打のプレーに集中。リーグ戦を勝ち抜いた8チームがトーナメント戦に進み、優勝はブラジル4、準優勝が日本A、3位にロサンゼルスBが入った。
アルゼンチンチームの代表のオラシオ・玉那覇さんによると、国内では約300人が楽しんでいるという。メンバーの平均年齢は70代半ばで若返りが課題だが「ゲートボールは本当におもしろい。普段は一生懸命仕事をして、日曜日が来るのが楽しみ。弁当を持って運動場に行き、朝から晩までやっている」と紹介。今回ブエノスアイレスから来た16人は「ゲートボールができるのなら」と、16時間の長旅は苦にならなかったといい「勝ち負けは別にして、国際大会に参加する度に、友だちができてうれしい。そして、その友だちに今回また会えたことがうれしかった」と語った。
実行委員長の当山さんは大会を総括し、昨年の参加が3カ国だったのに対し「今年はハワイ、ブラジル、アルゼンチンから来てもらい、参加者が大幅に増えてよかった」と喜んだ。「そして、世界から来た人がゲートボールを通じて親睦を深めることができたのが何よりもうれしい」と大会の成功を誇った。当山さんは南加協会の前会長を務め、今も「活性化と普及」を合言葉に尽力する。「何もやらないとマンネリ化するので、このような親善試合は重要である」と、大会の意義を強調しながら「リタイアした人が健康と第2の人生を楽しむために、ゲートボールを始めてもらえればうれしい」と願った。
日本連合の関口さんは、今大会について「5カ国が集まり親睦してすばらしかった」と、たたえた。活性化を目指す南加にエールを送り「愛好者が、ゲートボールを知らない人に楽しさを伝えてほしい。そうすれば仲間の輪が広がり、楽しさは増すだろう」と期待を寄せた。
南加協会の詳細は当山さんまで、電話323・731・0699。メール—
Katsu44to@gmail.com
【永田潤、写真も】