◎毎年大人気のお盆祭り
今年の祭りではテリヤキチキン、そうめん、シェーブアイス、南米料理のタマレやタコス、ホットドックなど、ロサンゼルスならではの文化の入り混じった出店が並び、小笠原流煎茶道によるお茶のセレモニーやファーマーズマーケット、太鼓などのライブパフォーマンス、万灯会法要や盆踊りなど盛りだくさん。特に、カラフルな法被や浴衣を身にまとい日米の音楽に合わせて盆踊りに熱狂するする老若男女の姿は、まず日本では見ることのないシーンだ。
この日系社会伝統の盆祭りはいまや多くの人たちに広く開かれ、日系の家族が集う場であると同時に、日本の伝統や文化、仏教の教えを伝える発信地としての役割を果たしている。
◎環境にやさしいお盆祭を目指し
ファーマーズマーケットでは、今年もサンディエゴとオックスナードの15の農家から野菜や果物が寄付された。今までは売れ残ってしまったものを処分していたのだが、今年は売れ残りを極力防ごうと、入荷するものを吟味。残ってしまったものは非営利団体のFood Bank「Food Finders」が次の朝に引き取り、スキッド・ロウにある低所得者やホームレスの家族を支援しているセントフランシスセンターに提供した。
また、古くなってしまったランタン飾りの木の枠を再利用して、盆踊りに使うカチカチと音を出す鳴子(なるこ)をつくって販売もした。デザインはキティーなどのアニメのキャラクターがモチーフとなった。
◎地域の団体とのコラボレーション
東本願寺のこの新しい取り組みは、小東京協議会のプロジェクト「Sustainable Little Tokyo」とのコラボレーションからスタートした。このプロジェクトは2012年に始まり、環境・社会・経済の3つの視点からこの世の中を持続可能な社会にしていく「サステイナビリティー」を目指していこうとするもの。盆祭りでも「もったいない」をコンセプトに、地球やすべての生き物に敬意を払いながら無駄なものの削減、再利用やリサイクルを心がけ、持続可能な社会へ移行していく試みの第一歩とした。東本願寺と小東京協議会メンバーはさまざまなコミュニティーの仕事ですでに親しくなっていたことから、今年一緒にプロジェクトをしようという話になった。さらに食糧の無駄をなくし飢餓をなくしていこうと南カリフォルニアを中心に活動する食料援助の非営利団体「Food Finders」とのコラボレーションも同時に生まれた。今回こういった地域団体との積極的なコラボレーションが生まれ背景には何があったのだろうか。(【下】はこちらから)