毎年、干支のイラスト入りで手書きの賀状を考えるのが楽しみだった。そんな年賀状を出さなくなって久しい。郷に入れば郷に従え―で、こちらへ来てからはクリスマスカードにすっぱり切り替えた。もち論、日本へは、よいお年を、の一言を付け加え、年賀も兼ねる。
 渡米後すぐのクリスマスの頃、町のあちこちでは本場のデコレーションも見られたし、にぎわいも嬉しかったから、日本の友達にその様子を知らせたくて、クリスマスカードには所狭しと町の様子を書いて20通ほども送った。でも、返事があったのは2、3通。私の世代では外国はまだまだ「憧れの国」の感があったから、どうも自慢しているように受け取られたのではないかと思う。それ以来、日本へのクリスマスカードは家族と2、3人の友人、知人にしか出さない。だから、2枚でも1枚でも、お年玉付き年賀ハガキで送ってくれたりすると、その気持ちがとても嬉しい。
 カード専門店には奇麗な、さまざまな種類のカードが豊富に揃っていて、選んでいる時は時間を忘れてしまうくらいだが、最近、今まで馴染みの2軒の店がつぶれてしまった。年末に貴重な残るあと1軒の店で、ずっと持ちこたえてほしいと願いながら買い物をした。 Buy 3 get one free が嬉しいし、アフタークリスマスにはBox入りのカードが半額になったりするから、気に入ったのがあれば、翌年のために買っておいたりもする。
 クリスマスの時期には、ギャラリアにオーナメントやカード、カレンダーを売る店が特別に出たりしたものだが、数年前から見かけなくなったし、クリスマスソングもあまり耳に入って来ない。世の中が少しずつ変わりつつあるような気がする。
 久しぶりに日本書店に寄ってみたら、コミックやDVDが店の入口の大部分を占めていて、雑誌、小説、専門書は奥の方に追いやられていて、思わずため息が出た。
 数年前までは遅くとも10日ほどで届いた日本へのクリスマスカードも今回は12月2日に出したのに届いたのはクリスマス後の27日。航空便とも思えない。
 USPSさん、一体どうなってるのでしょうか。新聞の遅配とともに、今年も頭の痛い問題です。【中島千絵】

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