ロサンゼルス市警察(LAPD)の警察官が2015年に実力行使した件数は1924件で、うち警察官による発砲で21人が死亡していたことが最新の調査で明らかになった。LAPDが1日、発表した。

 昨年警察官が実力行使で発砲した件数は48件。うち38件が精神障害者への発砲だった。精神障害者の半数が事件当時、銃を所持していたという。うち21人が銃撃により死亡。この数字は前年度より3倍増加していた。
 また、黒人はロサンゼルス市の人口構成比で9%だが、警官に撃たれた精神障害の黒人は38人中8人で、約21%を占め、多かった。銃撃により負傷した警察官は11人だった。
 実力行使による死亡者数はLA郡シェリフ局が14人、テキサス州ヒューストン警察署管内が12人、イリノイ州シカゴ警察署管内は8人でLAPDが他の都市と比べ圧倒的に多いことが分かる。
 調査はLAPDが実施し、昨年3月1日にロサンゼルス・ダウンタウンのスキッドロウ地区でホームレスの黒人男性(当時39歳)がLAPDの警官に撃たれ死亡した事件から1年を迎えたことを受け発表された。
 この事件は目撃者が一部始終を携帯電話の録画機能で収めており、その映像がインターネットの動画サイトに投稿された。動画には、6人の警官が男性を取り押さえようとしている様子が写し出されており、男性は激しく抵抗。もみ合いになった末、警官が発砲した。警官は強盗の通報を受け現場に駆けつけ、男性に事情を聞こうとしていたところだったという。
 この事件には黒人に対する過剰な実力行使だと指摘する声が相次いでいた。【吉田純子】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *