力走を見せ5位入賞を果たした佐藤琢磨
力走を見せ5位入賞を果たした佐藤琢磨
 インディカー・シリーズ第3戦、第42回トヨタグランプリ決勝が17日、ロングビーチの市街地コース(1・968マイル・80周)で開催され、シモン・パジェノが今季初優勝(通算5勝目)を挙げた。シリーズ参戦7年目の元F1ドライバー佐藤琢磨は、予選8位から追い上げ5位入賞を果たした。

 佐藤にとってロングビーチは、2013年に同シリーズで日本人初の優勝を飾った相性のいいコース。だが、予選上位6位までを占めたシボレー勢のパワー優位の中、ホンダ勢最高位となる力走が光った。

優勝したシモン・パジェノ
優勝したシモン・パジェノ
 レースは、アクシデントなどによるイエローフラッグは最後まで出ず、大きな順位変動がなかった。そのため、佐藤は燃費セーブに気を配り、着実に周回を重ね順位維持に努め「我慢のレースで、抜くチャンスをうかがった」
 ピットストップは2度とも、クルーがミスのない作業で佐藤を送り出し、順位を上げるきっかけを演出。53周目の2回目では、6番手でコースに戻り終盤へ。そして、57周目には「一瞬のミスを突いた」というヘアピンの出口で鮮やかな追い抜きを披露し5位に浮上。その後も猛追し、激しい4位争いを繰り広げファンを喜ばせた。
 「作戦にミスはなかった」というタイヤを使いこなし、終盤の見せ場につなげた。レース全般を振り返った佐藤は「ハイペースのライバル勢に食いついて走ることができ、ピットでもコース上でも抜くことができよかった。いいレースができ、順位以上にチーム全体の達成感が大きい」と胸を張った。
 熊本地震について佐藤は「連日、余震が続いて2次、3次災害が出ている」と、心配しており「日本を応援したい気持ちで、いいニュースを少しでも届けるために走ったので、みんなにあきらめないで頑張ってほしい」とエールを送った。【永田潤、写真も】
ターン11を通過する佐藤
ターン11を通過する佐藤

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