伝達式で総領事があいさつに立ち、フォールサム氏の経歴を紹介し、同植物園の日本庭園を通しての日本文化の紹介と、日米桜寄贈100周年の活動を高く評価し「多大な功績に日本政府を代表し感謝したい。活動を通し、対日理解を促進してくれた。心から受章を祝いたい」と述べ、さらなる活躍に期待を寄せた。
フォールサム氏は、同植物園で25年間園長を務めている。広く一般市民に日本文化や日本庭園に親しむ機会を提供することで、日本への理解を深め、日米友好親善に大きく貢献した。
2012年の日米桜寄贈100周年には、同園の自己財源で約1300本の苗木を南カリフォルニアからアリゾナ州まで幅広く無料配布した。さらに同年、ハンティントンライブラリー日本庭園100周年事業の一環として、同氏がイニシアチブを取り日本庭園の修復を行った。これらの功績により、13年に同園は外務大臣表彰団体賞を受賞した。
フォールサム氏は謝辞の中で、「日本で培われた文化である美しい庭園がハンティントン植物園にもたらされ、1世紀にわたりすばらしい指導者と支援者によって伝えられてきた」と説明。その支援者の1人で、庭園修復事業に協力した故メアリー・B・テイラー・ハントさんの名を挙げ「日本庭園といけばなを愛したメアリーさん(の遺贈)を忘れないでほしい」と語りかけた。「これからも日本庭園をよりよく維持し、すばらしい文化を紹介したい」と、抱負を述べた。
乾杯の音頭をとったドン・コンランさんは、フォールサム氏の業績について「ハンティントンライブラリーを世界的な評判にまで高めた。日本庭園はジムのダイナミックな指導力により、ハンティントンで一番の人気スポットになりまた、日本の文化芸術を紹介してくれた」と称賛した。
勲章を胸に着けたフォールサム氏は「受章は、われわれの公共の植物園で植物を研究するスタッフと、植物を育てるスタッフそして、庭園を美しく維持するスタッフを合わせた85人とともに楽しく働いた結果なので、とてもうれしい」と喜んだ。日本文化の紹介については「文化活動を行うことで、庭園がより美しくなると思う。文化の紹介が、日米をつなぐ役に立つことになればうれしい」と語った。【永田潤、写真も】