記念イベントで披露された強制収容される日系人の様子を再現したパフォーマンス

 第二次世界大戦中に行われた日系人の強制収容に関する資料などを展示する特別展が18日から小東京の全米日系人博物館(JANM)で始まった。大統領令発令から75年を迎えたことを記念し、同日はイベントも行われ、参加者は日系人の苦難の歴史を振り返った。【吉田純子、写真も】

 

同イベントで演説したマイク・ホンダ前下院議員
 展示は今年、当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトが日系人を強制収容する大統領令に署名してから75年を迎え行われている。
1941年に日本がハワイの真珠湾を攻撃した日米開戦後の42年2月19日、当時のアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトは「大統領令9066号」に署名。米国人であったにもかかわらず当時の日系人は「敵性外国人」とみなされ、およそ12万人の日系人が強制収容所に収容された。
 「Instructions to All Persons」と題された展示には、大統領令の原本や、連行される日系人を捉えた写真など関連資料が公開された。
 18日にJANMで行われたイベント「An Attack on One is an Attack on All(一人への差別は、みんなの差別)」では、実際に強制収容所に収容されていた日系人やその家族らも出席。
イスラム系コミュニティーの代表者らも出席した
 カリフォルニア州マンザナー強制収容所に収容されていた日系2世のハル・クロミヤさんは、「連行された日、FBIは突然私たちの家にやってきて、銃を持った職員がわたしたち一家を連行していったのです」と当時を振り返った。
 イベントには当地ロサンゼルスの中南米系やアフリカ系米国人、ユダヤ系、イスラム系コミュニティーの代表者らも出席。日系人の歴史を振り返るとともに、現在トランプ大統領が進める排外主義的な移民政策に対し「同じ過ちを繰り返してはならない」と声を上げた。
JANMで行われた記念イベントでマンザナー強制収容所に収容されていた当時のことを話す日系2世のハル・クロミヤさん

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *