先月日本滞在中に「チバニアン」が大きな話題になった。LAで報道を見た人も多いだろう。チバニアンとはラテン語でチバ時代を意味し、チバとは千葉県の千葉。興味が出て素人だが調べて見た。まず千葉の名は多くの葉が繁茂するに由来するらしく律令以前の古代からの古い地名らしい。確かに緑多く今ゴルフ場も多い。万葉集にも千葉に因む歌は50近くあり、ここに書き切れないが恋人や夫婦の切なく細やかな愛も歌われている。1300年も前の飛鳥、奈良の時代だ。大昔から日本人はどこでも正に国民総詩人だ。
 さらに千葉県は貝塚が日本一多いそうだから紀元前1万年の縄文時代から先人達が広く生息した古い歴史が伺える。
 だが古さといえばチバニアンは77万年前から12万年前の時代の国際地層学の命名というから気が遠くなるほど桁が違う。マンモスも生息していた時代だ。具体的には千葉県市川市の養老川沿いの地層に地球の磁場のN極とS極が77万年前に逆転した痕跡が見られ、地球史を分類する地層年代に白亜紀やジュラ紀などと同様にチバニアンの名が刻まれることが国際地質科学連合で内定したとの壮大な話題だ。
 地球の磁場の逆転は過去360万年の間に計11回起ったと考えられ、千葉の地層には77万年前の最後の逆転を示す鉱物の良好な証拠が残存する由。イタリアもイオニア海沿いの地層イオニアンを申請していたが、日本の申請が同連合の一次審査を通過し内定を得たという。46億年とされる地球史は115の地質年代で区分されるそうで、地球磁場逆転は新時代を区分する基準になるという。同連合は各時代の境界となる代表的地層を1カ所だけ選ぶ。来年に最終認定が出れば千葉の現地に記念の黄金のくいが打たれるそうだ。市原では既に人々が押し掛け話題になっている。茨城大や国立極地研究所などの地層研究の努力の成果だ。連合の内定が覆らないよう期待したい。
 因みにわがLAの現総領事は千葉県出身の千葉明さん、活発に精励恪勤されている。千葉さんが在任中の当地もチバニアンと呼べますね。
 いよいよ師走。日の暮れも年の暮れも早い。来年が世界に平和を運んでほしいものだ。では皆さん佳いお年を。【半田俊夫】

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