愛くるしい瞳に賢い頭脳。おまけになんでもテキパキこなしてしまう。こんな要素に恵まれたら、誰からも必要とされる存在になること間違いなしだ。人のことではない。AI(人工知能)を活用したロボットのことである。
 自ら思考する能力が備わっているAI。近年AIを活用した商品のニュースが目立つ。一昨年には患者の難病を見抜き、医師に新たな治療法を教え、患者の生命を救ったという出来事も起こった。米国のある大手法律事務所では破産法の分野でAIの知識を活用する動きもあるようだ。
 先日面白い映像を見た。日本の旅館でスリッパや座布団、テーブルが勝手に動き、自動的に元の位置に戻り整理整頓してくれるのだ。日本のおもてなしの現場でもAIの活躍が期待されつつあるようだ。
 2013年にオックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授が「雇用の未来」という論文を発表した。今まで人間が行っていたことを、近い将来、AIを活用したロボットが代替していくという内容だ。その中で今後10〜20年で消える職業というのが挙げられていた。
 アメリカにおけるランキング1位は小売店販売員、2位会計士、3位一般事務員。以下セールスマン、一般秘書、飲食カウンター接客係、レジ打ち係や切符販売員、荷物の箱詰めや積み降ろしの作業員、金融取引記録保全員、大型トラック・ローリー車の運転手、コールセンター案内係、乗用車・タクシー・バンの運転手、中央官庁職員など上級公務員、調理人(料理人の下で働く人)、ビル管理人の順で後に続いた。
 日本の職業に関しても今後10〜20年で49%がロボットまたは機械に取って替わるようになるとのことだ
 逆に残る職業は1位レクリエーションセラピスト、2位修理工、3位緊急事態の管理責任者だという。
 映画の世界だけだと思っていたことが、技術の進歩により現実にも起こりうる今の時代。将来、手頃な価格でAIを購入できるようになれば、人がAIに使われ、街は行き場を失った人間で溢れてしまうのかもしれない。AIの開発者は人間だが、いつしかAIが人を超える日も近いのかも。いやもう超えているのかもしれない。【吉田純子】

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