奨学金制度を設ける同県人会は今年も5人の学生を選出。この夏高校を卒業し、進学するための奨学金を授与されたのは、エミリー・グランさん、サラ・ジョンソンさん、リカ・コヤブさん、ジョシュア・リーさん、マデリン・タワさん。エミリーさんとマデリンさんは和歌山県への短期留学制度にも選ばれ、来年の夏2週間の滞在を予定している。
会長の有地さんによると、和歌山県は海外移住者や子女らとの交流にとても熱心で協力的だという。県特産品の海外展開にも力を入れており、近年では普通の3倍の大きさの柿を北米に売り出している。「紀州の梅干し」以外の県産ブランドとなるか、県側は大いに期待しているという。
バーベキューの良い匂いがし始めたころには、ランチテーブルに長蛇の列ができていた。ピクニック統括の坂地ジャックさんは「食事が足りるかどうか、いつも心配」とし、たくさんの参加者があることに感謝しつつも、担当者としての気遣いも見せた。
大正8年、ターミナルアイランド生まれの中路さんは12月で99歳。マンザナーの日系人強制収容所で暮らした経験を持つ。両親は同県那智勝浦出身。中路さんは今も日本語で会話をし、聞き取りにも問題がない。
会場には中路さんの同級生、佐藤ヒサエさんの姿もあった。2人はターミナルアイランドの幼稚園で席を並べ、93年たった今もピクニックで顔を合わす間柄。家族も2人の元気な様子を毎年驚きをもって見ているという。
中路さんたち以外にも和歌山県人会には今年100歳の長寿が3人在籍している。9月3日に100回目の誕生日を迎える浅井菊次さんもその1人。浅井さんはピクニック参加を取りやめたが、来月8日に行われる日系パイオニアに感謝するイベントで「199歳からの遺言」に登壇する予定。「ご高齢の方同士の対談。どんな話が聞けるか、とても楽しみ」有地さんは語った。