続いて南加県人会協議会会長の芥川さんが「志摩市からの移民は、かつてターミナルアイランドで漁業をしていた。互いの援助がなければ大変な時代だった。そのために県人会ができたと聞く。ふるさとと交流し、日本文化の普及に尽力された先人に感謝する」と述べた。
志摩市使節団が紹介され、団長の竹内市長があいさつに立った。「甚大な被害をもたらした伊勢湾台風から来年で60周年となる。同県人会に義援金をもらい、復興の支えとなった記憶を若い世代に伝えていきたい」とした。
一団の中学生6人は到着後5日間、県人会会員の自宅にホームステイし、小東京の全米日系人博物館(JANM)やLAの各所を回って日系人の歴史やアメリカの生活などを学んだ。生徒代表の同市大王中学校3年の玉川天くんは、ホームステイ先で厚い歓迎を受けたことに感謝の意を表した。
一団の一人、辻野勝悟くんによると「6人は試験に受かり、今回の使節団に参加した」。
この使節団の開催は、「竹内市長のリーダーシップによるところが大きい」と高岸さんはいう。
竹内市長は使節団の目的を「海外へ目を向けてほしいという思いが一番」と答えた。「若いうちに視野を広げる機会を与え、次の世代に受け継いでもらう育成事業。今回、三重県人会に受け入れ先になってもらったおかげで、子供たちにとってすばらしい経験となった」
一団は県人会のボランティアが用意したハンバーガー、バーベキューなどを味わい、福岡県人会太鼓クラブ「鼓玄会」によるパフォーマンス、八巻空手道場の実演などを楽しんだ。学生時代アメリカンフットボールで鍛えていたという竹内市長は、空手のメンバーにタックルで挑むなどして会場を沸かせた。一団はその後、大谷翔平選手出場の試合観戦のためエンゼルス球場へと移動した。
三重県が誇る「井村屋」のあんこをたっぷり使ったかき氷も振る舞われ、ラッフル抽選会の後、115周年祝賀ピクニックは閉会した。【麻生美重、写真も】