過去17回ローズパレードに参加してきた同アソシエーションは、実行委員会から9度の授賞を受けた実力ある団体。毎年、元旦のパレードが終わるとすぐに一般よりデザインを募り、翌年の企画を開始する。今年はシエラマドレ小学校にある日本庭園をモチーフにしたフロートデザインが採用された。同団体で長年ボランティアとして活動し、現在はリーダーとして全体を仕切るケイ・サッピントンさんによると、公募の中から3作品に絞り、ボードメンバーの投票により最終候補が決定された。他団体に類似のフロートがないかなどをローズパレードの実行委員会が審査し、正式に承認を受けた春ごろから製作が始まった。
このエピソードを基にしたデザインがフロートに決定すると、ケイさんらボランティアグループは日本の楽器で音楽を奏でてもらおうと話し合った。「三味線か琴という案だったが、他の町のフロートにギターのテーマがあったので、三味線はやめることにした。あいにく琴を弾ける知り合いはいなかったので、周囲に呼びかけて探した」。
「佐枝子はすごくやり手」とケイさんは興奮気味に語る。「日系コミュニティーの彼女の知り合いを次々と紹介し、着物の着付けとレンタルをしてくれるグループまで見つけてくれた」
鯨岡さんは羅府新報に寄せたコメントで「(7月に制作所を訪れたさい)猛暑の中、防護服を着て溶接作業をするボランティアを見かけ、フロートにかける情熱を感じた」。「興味深い歴史の日本庭園のデザインのフロートを日系コニュニティーとしてもサポートしていけたら」との思いから、参加を決意した。
鯨岡さんは「南加庭園業連盟やイーストサンゲーブルバレー庭園業組合などから寄付をいただき、なでしこ会さんにも着付けや着物レンタルをボランティアで引き受けていただいた」と感謝を表した。
【麻生美重、写真も】