好天に恵まれたこの日。会長の宮里さんはあいさつで、「昨年、この場所で創立110周年を皆と一緒に祝った」と振り返り、「100年前の娯楽の少ない時代に当時の会員らはピクニックを始めた。その伝統を絶やさず、日系社会全体でがんばっていこう」と力を込めた。
在日本総領事館の松尾浩樹首席領事、南加日系商工会議所の川田薫会頭が来賓代表で祝辞を述べた。
同県人会は毎年、大学進学予定者への奨学金授与を恒例としている。この日授与されたのはトーレンスのウエスト高校をこの夏卒業し、エル・カミノ大学に進学するジャスティス・飛馬・パクストンさん(17)。 パクストンさんは高校陸上トラック競技でサウスベイ2位、極真空手では優勝経験があるなど、文武両道の日系2世。
同県出身の母、恵利子さんと共に、奨学金申請を宮里会長に相談。締め切り間近だったが、会長に背中を押され願書を提出した。パクストンさんは「奨学金を用いて大学生活の準備をする」と話した。
この他にも県人会の取り組みとして、11歳を対象とした県主催の県費短期留学プログラムへの選考がある。このプログラムに参加した2人の女子児童が体験を報告した。
宮里会長は「親を離れての日本行きは、どの子弟も不安だらけ」だが、2週間の短期留学を終え経験を積んだ2人をロサンゼルス空港で出迎えた際には「大人に見えた」という。
同県人会は世代ごとの会員数のバランスが取れているためか、活気がありチームワークもしっかり取れている印象。それぞれの係のリーダーシップが十分発揮され、ピクニック全体がスムーズに流れる。
宮里会長は「早朝より準備に大勢が駆けつけてくれ、汗を流しながら会場作りに自発的に働く姿を見て『これぞ福岡県民魂』だと胸が熱くなった」と語った。