大勢の人出で賑わう名古屋デーの特設会場
 ロサンゼルスと名古屋の両市は今年、姉妹都市関係締結60周年を迎えた。それを祝い、ロサンゼルス名古屋姉妹都市委員会(LANSCA)はこのほど、ロサンゼルスのセンチュリーシティーにあるショッピングモール「ウエストフィールド」で記念イベント「名古屋デー」を開催した。河村たかし名古屋市長、エリック・ガーセッティ市長らがオープニングセレモニーに参加し、LANSCAの照子ワインバーグ委員長とともに両都市の60年の交流を祝った。
記念品の盾を披露するLAのガーセッティ(左)、名古屋の河村両市長(写真=稲垣真理)
 国際貿易港を共に有することから姉妹都市関係を築いた名古屋とロサンゼルス。両市長はあいさつの後記念品を交換し、晴れ晴れとした面持ちで記念撮影。河村市長は60周年のイベントについて「非常におもしろいと思う。アンジェリーノが集まる場所での開催は名古屋を知ってもらうのに好都合」「60年前の伊勢湾台風のときに日系人よりビッグヘルプをいただき感謝している」と述べ、「両都市の懸け橋としての役割を担うLANSCAとともに名古屋とロサンゼルスの関係を発展させていきたい」と名古屋弁で熱く語った。
 ウエストフィールドの屋外特設会場には愛知名物の地鶏「名古屋コーチン」の試食をはじめ、尾張名古屋の和菓子店「亀屋芳広」の和菓子作り体験、日本伝統工芸「鳴海絞り」の絞り染め体験、表千家同門会米国南加支部による茶の野点、米国書道研究会による書道体験、着物を羽織っての記念撮影など、名古屋をPRする産業や観光、食品、文化にちなんだブースが並んだ。
「亀屋芳広」の菓子職人(左)に習って和菓子作りに挑戦するシェイさん(中央)とケイさんの兄弟
 ロンドンから観光で訪れていたシェイさん、ケイさん兄弟は和菓子作りに挑戦した。二人は和菓子職人で「亀屋芳広」社長の花井芳太朗さんが指先と手のひらで練り切りあんを花の形に作り上げる様子を見て「ぜひ試してみたい」と思った。手ほどきを受けながら花の形を細工し和菓子を完成させた。「餡は思ったよりも柔らかくて驚いた。生まれて初めてのすばらしい体験だった」と自作の和菓子を眺めながら語った。
 
書道体験で指導を受け「サムライ」とつづる男の子
ハナ・ファーロウさんとレイモンド・カーロさんは着物を羽織り、名古屋城天守閣のパネルをバックに記念撮影を楽しんだ。「着物がこんなに重いなんて想像していなかった」とハナさん。レイモンドさんは「近くで見ると作りが細かくてデザインが本当にすばらしいことがよくわかる。重い理由がわかった」。二人はいつか名古屋に行ってみたいと語った。
 
刀を握りBuraiメンバーと記念撮影をする女の子
 絞り染めの体験ブースには長蛇の列ができ大盛況となった。参加者は絞り染の手順を慎重に進めオリジナルの手ぬぐいを仕上げていた。鳴海絞り「こんせい」の近藤泰仁社長は「ロサンゼルスの人がこれほど染物に興味を持ってくれたことに驚き、また嬉しく思った」と笑顔を見せた。
 名古屋のご当地アイドルグループ「dela」は、日本を襲った台風の影響でLA入りが遅れたが、元気いっぱいに登場すると名古屋弁を交えた楽曲を歌い踊った。買い物中の客も賑やかなステージに注目し、写真を撮るなどして楽しそうに見入った。当地で活動する俳優のグループ「Burai」は、迫力ある殺陣とコメディタッチの寸劇で観客から拍手喝采を浴びた。
 夕刻より場所を敷地内のステーキハウスに移しレセプションを行った。名古屋近郊の常滑地方のブドウを使用した「常滑ワイン」や名古屋からの一行が手提げで運んだ日本酒の「九平次」などが振る舞われ、特産の宣伝に一役買った。
華やかなパフォーマンスを見せた名古屋のご当地アイドルグループ「dela」
 
 
 ワインバーグ委員長はあいさつで「『還暦』の祝いを迎えたLANSCAの次の60年が始まる。さらに強力な姉妹都市関係をとりわけビジネスの面で推し進めていきたい」と力を込めた。
 テノール歌手のSEKAIとソプラノ歌手のサマンサ・アイコ・キムがジェレミー・ワイングラスのピアノで美声を披露。最後はサービス精神旺盛な河村市長も一緒に歌い、祝いの席は最高潮に達し幕を閉じた。【麻生美重、写真も】
レセプション会場で会話を弾ませた(右から)ワインバーグ委員長、河村市長、武藤総領事、ヤマハタ二世週祭委員長

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