約90ポンドのメキシコ産本マグロの解体ショーを食い入るように見る参加者
南紀白浜のクラフトビール「ナギサビール」の試飲ブース
 米国で本格的な日本食の普及を図り大規模な試食会を開催する「日本食文化振興協会」による第14回日本食エキスポが25日、ロウズ・ハリウッドホテルで開かれた。約60社が、食品業者と一般消費者計約2千人を相手に自社商品の紹介に力を注ぎ商談につなげた。

 日本食はおいしい、健康に良い、質が高いなどが評判を呼び、世界に広まりを見せている。今回は米国内はもとより日本から愛知、福島、鹿児島、宮城、静岡、三重といった地方自治体と地元業者の参加が目立った。
 メニューは、すしや刺身、カレー、調味料のみそ、しょうゆ、みりん、塩、地酒と焼酎、ビール、お茶、抹茶のスイーツなど幅広いラインナップ。さらに現在は日本でしか手に入らない質の高い特産品が並んだ。

オムライスのレクチャー後の試食会
 エンターテインメントでは、本マグロの解体ショーやキャラ弁コンテスト、巨大巻きずし、おにぎり作りが披露され、また日本の観光情報や琴演奏、あめ細工など日本文化の実演も行われ好評だった。
 静岡からはお茶2社、だし1社が参加。県地域外交局・経済産業部の波多野陽介さんは、今回で5年連続参加した理由を「米市場開拓の第一歩として来ていて、将来の商談につながればいい。全米で日本食人気が高いカリフォルニアで追い風に乗りたい」と述べた。米市場への切り込みについては、抹茶ラテを例に挙げ「現地の好みに合わせたマーケティングを行って研究、開発し商品を提供しなければならい」と話し、地元業者に提案するという。
 イベントで最も大きなブースを構えた宮城は、東日本大震災の被災農家救済のために品質を改良した「ミガキイチゴ」をはじめ全国一の生産量を誇る養殖の高級ブランド「みやぎサーモン」、ブランド米「萌えみのり」、もずく、めかぶ、明太子、乾燥納豆など15の県産品を紹介。県経済商工観光部の吉村有香里さんは「お客さん
「食べる宝石」をコンセプトに品質を改良したミガキイチゴの試食を勧める宮城県経済商工観光部の吉村有香里さん(右)と南加宮城県人会副会長の大場弘毅さん
の反応がよく、喜んでもらえたのがよかった。特にイチゴは『びっくりするほどおいしく、高価格の価値がある』と褒められた。宮城県民にいいニュースを持って帰ることができる」と喜んだ。
 震災後は国内販売が落ち込み、回復は困難だったという。そこで海外に販路を求めた県の取り組みについて「すごくポジティブな事業で、宮城の食品を味わってもらえることに県民は喜びを感じている。今日はアメリカの人にわれわれがこれだけ復興したことを伝えることができた」と胸を張り、「宮城の生産者と海外の消費者のどちらもがハッピーになれるようなウィンウィンの関係を目指したい」と抱負を述べた。
 日本食文化振興協会理事の田中均さんによると、同イベントは年々増える参加者に対応し規模を拡大。今回は約2千人をもてなし「ゆっくり試食・試飲し、商談もしてもらうために昼と夜の2部に分けた」と説明。参加業者については「みんなアメリカ進出に意欲を見せていて、次回参加のために視察に来た地方自治体もいた」と話し、「『手応えがあった』などと好評を得たことがうれしい」と語った。【永田潤、写真も】
キャラ弁コンテストで作品を披露する参加者

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