県人会と囃子会は、二世週祭とハリウッド・クリスマスパレードというメンバーにとっての二大イベントに加え、各所のイベントに呼ばれてパフォーマンスを披露するなど、充実した活動をこなしている。
昨年は青森ねぶた祭にメンバー8人を送り、本場で演奏したことで自信を深め、二世週祭につなげた。秋にはLACMA(ロサンゼルス郡美術館)に招かれ、中型ねぶたとともに4回、延べ千人を超す来館者を前にデモンストレーションを行い、2週間後のハリウッドパレードへ弾みを付けた。
二世週祭の実行委員会は、今夏の第80回を記念しグランドパレードをねぶたが映える夜に行う方向で調整しており、メンバーの士気はいやが上にも高まる。さらに、二世週祭までに青森から届く予
親睦会で、両会の会長があいさつに立った。4年目留任の木村昭・県人会長は先輩会員の山村俊夫さんからかつては、わずか7人で新年会を開いていたことを聞いたといい「それが今では、ねぶた囃子ができて会員が増え、こんなに多くの人に参加してもらって大変ありがたく思っている」と述べ、囃子会の結成以来、二人三脚の活動により県人会が活性化し発展したことに謝意を表した。「それぞれの人がこの県人会に個人的な思いを抱いている。末長くつき合いたい」と願った。
豊島年昭・囃子会会長は昨年暮れに帰郷した際に、表敬訪問した小野寺晃彦・青森市長から「青森のねぶたがアメリカで盛んに行われ、大活躍していると聞き感謝している。ますます活躍してほしい」と激励を受けた。豊島会長は、奈良佳緒里・県人会名誉顧問とともに2015年に青森市から観光大使に任命され、
囃子保存会は15年に初のねぶたフロートを所有し、17年は2台体制で活動の強化を図ると、モチベーションを上げたメンバーは練習にいっそう身を入れ腕を上げている。各地のイベント出演について豊島会長は「あちらこちらから来て下さいと頼まれている。だけど大型な物なので運ぶのが大変で、なかなか話がまとまらない」と、説明した。費用と時間を要するフロートの運搬の悩みがあるものの「今年もまたどこかのイベントに呼ばれれば行きたいと思うので、みなさんよろしく」と、意欲を示した。
東京出身の奈良名誉顧問は青森出身の父を持ち、戦時中は青森に疎開したため、青森を第2の故郷と愛する。「青森はいいところで、青森の人はみんなとてもいい人。豊島会長の下で、今年もねぶたを頑張って青森を盛り上げよう。ラッセラー」と叫び、結束を呼びかけた。
ねぶた囃子の盛り上げに大きく貢献している斎藤求さん、石岡幹さんと、ねぶたの企業スポンサーを務める
余興は、豊島会長が自慢する「芸能人揃い」というメンバーが、民謡にフラダンス、サックスを披露し場を盛り上げた。そしてクライマックスは、これしかない。ねぶた囃子の登場だ。「どーん」と轟く迫力のある大太鼓の合図で演奏開始。笛、鉦の音に合わせ木村県人会長ら参加者が釣られて跳ね出し「ラッセラー」と叫び、本番さながらの熱演を見せた。【永田潤、写真も】