「驚くほど便利な世の中になったものだ」と夫。インターネットを使った会議アプリZOOMでの家族ミーティング直後の感想だ。
 昨年末は利用者1千万人だったというZOOMは、新型コロナウイルスで外出が制限されるようになった今では利用者2億人といわれ、私たちもその中に入った。
 他州の次男の所へ飛んで長女一家にも会う旅を、子供たちのもとへウイルスを運ぶことになってはと心配し直前にキャンセルしたのが3月始め。残念がる私に近所に住む長男が提案してくれたのが、ZOOMを使った家族ミーティングだった。こうして、ワシントン州、ケンタッキー州、テネシー州の4家族をスマートフォンやコンピューターで結んでの、時折の家族ミーティングが始まった。
 連絡された時間にZOOMにサインインして「ミーティングに参加」に進み、会議番号を記入すると、スクリーンに子や孫の顔が飛び込んでくる仕組み。コンピューター画面なら一度に全員の顔が出ているらしいが、スマホの場合は喋っている人のみが映る。親としては、家族が元気でいる様子が見られれば、それで十分だ。
 長男がこのZOOMを使い始めたのも、今年に入ってからという。グリークラブの仲間の一人が日本に帰国することになり、残りのメンバーによるサプライズとして送別に一曲歌うことを企画。しかし練習に皆で集まるのは難しいことから提案されたのがZOOMで、画面を通しての声合わせだった。結局、サプライズ曲を披露するはずだった春のコンサートも集会禁止で中止となり、帰国する人にはZOOMでメンバーの歌声を届けたという。その後、長男が私に家族間でのZOOM利用を提案。また、今は在宅勤務中なので、スタッフ会議にも使っているという。
 会議アプリはZOOM以外にもいろいろあり、学校の授業などに活用されている。コロナ禍が終わり自由に行き来のできる日常が戻っても、いったん身近な存在となった会議アプリはこれからも重宝されることだろう。友人同士や家族を一挙に結ぶ親睦の場としての利用もお勧めだ。ただ、電話とは違い、事前の身繕いもお忘れなく。【楠瀬明子】

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *