COVID・19に関して、日本政府は先日の5月25日に、緊急事態宣言を全国的に解除した。アメリカも規制緩和ムードだが、まだまだ収まっている状況とは言い難く、内心第2の波がこないかと懸念が募る。
前回のコラムでも日本の感染者数や死者数の人口比が、アメリカと比べ圧倒的に少ないと記述した。万遍なく手を洗い、室内に上がる時は靴を脱ぎ、握手やキスやハグでのあいさつをしない習慣の違いが要因なのは容易に想像できる。では、バスや電車、地下鉄などの公共輸送機関を大いに利用し、いわゆる混雑が類似するニューヨークと東京の大都市における、この差は一体何であろう?という疑問に再度至る。
あくまでも大ざっぱな個人的観察と見解なので誤解しないで頂きたいが、アメリカ人はとにかく喋る。自己主張、意見を言う。結構はっきりと、大声気味で。男女共に誰もが。他人にも気軽に声をかける。良い意味でお節介な人が多い。また英語を発音する際には、構造上破裂音、摩擦音、震えたり、弾いたり、舌を出したり、かんだり、抑揚をつけて縦横前奥と唇をゴムのように大きく自由に動かすので、その結果、飛沫が舞う。例えば、B、D、F、G、J、K、O、P、T、V、Z、「th」などだ。
さらにボディタッチで感染経路は増える。憧れたアメリカのこのようなフレンドリーなマナーが、今回裏目に出ており、悲しく思う。
それに比べ、一方の日本では電車の中では静か。話すとしてもボソボソと口ごもって周りに気付かれないように会話する。ボディタッチもほぼない。詰まるところ、ソーシャルディスタンスや手を洗う行為ももちろん大切だが、やっぱり根本は浸透したマスク着用が重要な要因ではないか? マスクをすれば喋らなくなり、飛沫感染を防げる。
トランプ大統領は、恥ずかしがらずに、(選挙法違反かもしれないが)この際「TRUMP2020」の隠れメッセージを組み込んだしゃれたデザインのマスクでも着用して、お手本を見せて、とにかく率先して国民の習慣行為の改革を実践してほしい。安全のメッセージが伝えられて必ず称賛されると思うのだが。【長土居政史】