ここ5年間、年末年始は帰郷して、1月2日に国立競技場で行われる大学選手権ラグビー準決勝2試合を、観戦するのが定例となっている。毎回楽しみだ。どこの4校がここまで勝ち抜いて来たか?
 伝統校と言われる早稲田、慶応、明治や比較的新参勢力とされる帝京、東海、関東学院そして今回リーグ戦初優勝の流通経済。関西リーグ2連覇の天理や古豪同志社はどうか?
 今年の9月から10月にかけW杯ラグビーが開催され、開催国である強豪ニュージーランドが24年ぶりに優勝した。日本は3敗1分の残念な成績。世界の壁はまだまだ遠いが、日本でW杯が開催される2019年までには、強くなってほしい。
 現在、関東の大学は基本的に対抗戦とリーグ戦の2つのグループに分かれている。関西や九州などの優勝チームも参加が可能な大学選手権に出場(全16校)すると、そこでグループ以外の学校との組み合わせが実現する。
 今後、その2つのグループの活発な交流戦が検討されているが、いっそ1つに統一し、実力ある大学同士を惜しみなく対戦させ競争率を高めるアイデアはどうか? つまり箱根駅伝のように実力重視のシステムだ。となると勤労感謝の日に秩父宮で対戦する早慶戦や、12月頭の早明戦などの90年近く続く伝統の一戦は途絶える恐れもある。オールドファンは悲しむが、その歴史を打破するぐらいの変革が必要だ。
 例えば、全米大学アメリカンフットボールのBig12の一員であった全国制覇5度を成し遂げている名門ネブラスカ大学は、今年から別のカンフェレンスBig10へ移った。100年以上のライバルであったオクラホマ大学(7度全国制覇)との対戦も無くなった。
 テレビ放映権などのビジネス要素も絡んでいるだろうが、あっけない程、決断と実行が早い。今年試合を見た限りでは、ネブラスカ大学は強豪相手に素晴らしいプレーを見せ、大健闘している。新時代の幕開けだ。
 日本の美徳である「伝統を維持」も大切だが、強くなるためには、工夫も必要だ。希望が持てる将来に向けての仕組みをモダン化させて新たな伝統を築けばいいのではないか?【長土居政史】

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