「マーチマッドネス」と呼ばれるNCAA(全米大学体育協会)ディビジョン1男子バスケットボールのトーナメントが終わって先月半ば、ケンタッキー大学はマーク・ポープ新ヘッドコーチの就任を発表した。「高校の同級生、マークがケンタッキーの新コーチになった!」とわが家の長男がいち早く家族LINEで告げると、同大学に勤務する長女は「新コーチは、私の同級生メリンダの兄さんだ」とこれも大喜びでいる。
 ケンタッキー州最大の都市ルイビルは競馬のケンタッキーダービーで有名だが、同州第2の都市レキシントンのケンタッキー大学は男子バスケットボールがサウスイースタン・カンファレンスの強豪校として知られ、11月からのシーズン中はバスケが街の話題の中心となる。そのコーチともなれば、注目度も期待もさぞ大きいことだろう。
 長男が高校生の頃、私はたまたま用事で感謝祭当日にご近所の家を訪ねたことがある。すると裏庭からひときわにぎやかな声が聞こえ、「今日は2家族で一緒に祝うの。子どもたち全員で今バスケットボールをしているところ」との説明だった。その中の1人がマーク。ご近所さんはモルモン教徒で子どもが7人、対するポープ家も同じく子ども7人。2軒が集うサンクスギビングデーの食卓はにぎやかだったことだろう。
 マークは、高校卒業後は地元シアトルのワシントン大バスケットボールチームで目覚ましい活躍を見せ、Pac10の年間最優秀新人賞を受賞。ケンタッキー大学に転校すると、ケンタッキー・ワイルドキャッツの1996年NCAAチャンピオンシップに貢献した。プロとしてプレー後は大学バスケットボールのコーチとなり、2019年からBYUのヘッドコーチを務めていたらしい。そして今回、母校ケンタッキー大学に迎えられたのだ。
 ディビジョン1に属するチームは全米で300ほど。その中でトーナメントに参戦できるのは、各カンファレンス内でシーズンを勝ち抜くか選考で選ばれるかした68チームのみ。その時期はいつも西海岸の大学の活躍に注目していたのだが、今後はケンタッキーも大いに気になるところだ。(楠瀬明子)

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