竹嶺会が演奏する炭坑節に合わせて踊りながら、会場を練り歩く南加県人会協議会会長の北垣戸和恵さん(左端)ら参加者

 民謡と民舞の5団体で構成する「南加日本民謡研究会」はこのほど、モンテベロのクワイエットキャノンで今年度総会と親睦会を催した。約100人が参加し、昨年会長に就任した松前勝清師(松前会)の続投が決まった。それぞれの団体が華やかな演奏や踊りを披露し、会場は盛り上がった。

【写真上】サンディエゴを拠点に活動する松前会の演奏【同下】三味線と太鼓、唄の息の合った演奏を披露する松豊会

 民謡研究会は日本民謡の継承と普及を目的に活動し、ロサンゼルス地区の松豊会、竹嶺会、豊春会、寿の会と、サンディエゴの松前会が加盟する。昨年、設立60周年記念式典を盛大に催し、会員は活動の趣旨を再確認し団結を誓い合った。
 親睦会で松前会長があいさつに立ち、多くの参加と多大な協力に謝意を表した。「設立61年目を迎えることができたのは皆さんの温かい支援のおかげ」と話し、「南加日本民謡研究会は、各会の先生方と会員によって成り立っているので、今年も皆さんと力を合わせて頑張っていきたい」と抱負を述べた。
 来賓を代表して南加県人会協議会会長の北垣戸和恵さんと、南加日系商工会議所筆頭副会頭のグレース柴さんが祝辞を贈った。2人は弟子を育てる各師匠に敬意を表し、各会の長年にわたる日本民謡の継承と普及への努力を高く評価し、民謡協会のさらなる発展に期待を寄せた。 その後は顧問の井本豊春寿師が乾杯の音頭を取り、昼食を楽しんだ。余興には日本各地に伝わる民謡十数曲の演奏と踊りを全社中で行い盛り上がった。フィナーレは恒例の「炭坑節」を竹嶺会が演奏し、参加者が輪になって踊った。演奏に乗って手を振り足を踏み、会場を練り歩いて、親睦会を締めくくった。

【写真上】うちわを手に踊る豊春会【同下】扇子を広げ踊る寿の会

 民謡研究会に加盟する団体はそれぞれ、さまざまな方面からのイベント出演依頼に応えている。元日に小東京で開かれる祝賀行事を皮切りに、各所の桜祭りや日本祭り、盆踊り、二世週祭、ピクニックをはじめとする県人会の諸行事、そして南加県人会協議会による秋の親睦演芸会まで、1年を通して活動している。特に年始から3月中旬まで続く新年会のシーズンは、日本の情緒を民謡に求める人々の希望に応えて、多忙を極めるという。
 民謡協会の活動として今年は9月8日に、ガーデナのケン中岡コミュニティーセンターで「秋の民謡・民舞ショー」を5年振りに開催する。所属団体が総出演する公演で、コロナ禍が始まるまで26年続けて催していたが、2019年を最後に中断していた。5年ぶりの再開に、会員は決意を新たにし、公演の成功を誓い合った。

竹嶺会の三味線と唄の演奏

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