今年も、もう5月。八十八夜が過ぎ、こどもの日が過ぎた。新茶の季節。日本から届いた新茶に「放射性物質検査済銘柄」のステッカーが張ってあるのを見て、昨年の大震災による原発事故の現実を見る思いがした。
 新茶が出ると、もうすぐ夏という気分。夏といえば、二世週祭・七夕祭りがある。日米文化会館のLA Bloom、5日のファミリーデーイベントでは、恒例になった参加者の手による花で作る、コミュニティー七夕飾りの大きなボールを制作。お披露目は、8月10日の七夕開会式になるが、団体・個人の飾り作りも始まっている。
 今年、4回目を迎えるLA七夕祭り、テーマは「スピリットオブ絆」。それぞれの思いや願いを込めて作られた飾りが一堂に揃うのは、なかなか見応えがある。残念なことは、会場となるリトル東京界隈に住んでいる人の中にも、見たことがない、知らなかったという人がいることだ。
 広報が行き届かないのか理由はわからないが、ぜひ見に来てほしい。そして、見に来た翌年は、自分たちの飾りを作ってほしいものだ。誰にでもできて、それぞれの創意工夫でオリジナルの飾りが作れる。
 昨年、被災地支援の思いから、日本とアメリカ、そして復興を願い七転び八起きの意味を込めたダルマをデザインして作られたコミュニティー飾りは、日本に送られることになった。LAの被災地に対する応援の気持ちが伝わることを願ってやまない。
 思えば、何紙もの新聞を読み、政治・社会の動きに敏感に対応していた昔の自分には考えられない今の生活。選挙権のない身には大統領選挙もない。ひたすら目の前のことに向かうのみ。それがエンドレスなのだ。それで結局、一年中お祭り事をしている。お祭りに係わるいろいろなことで、別の世界が広がる。日系社会だけでなくつながっていく面白さがある。良くも悪くも新発見があり、ご縁をいただいている。
 8月の七夕祭りまで3カ月。アイデアを駆使して、いろいろな願いをこめた飾り作りに参加しませんか。ちょっと時間を掛けて凝ったものを作ることもできます。お祭りを一緒に楽しみましょう。【大石克子】

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