国勢調査局は17日、昨年7月1までの1年間に全米で誕生した新生児のうち、半数以上が少数民族(マイノリティー)の両親から生まれたと発表した。全米規模で少数民族の新生児数が白人を上回ったのは初めて。カリフォルニア州では、1999年に初めてマイノリティーの新生児数が半数を占めた。
 調査結果によると、2010年7月から11年7月までの一年間に全米で生まれた新生児のうち、ヒスパニック系やアジア系、アフリカ系、先住アメリカ人、また複数の人種背景を持つミックスなどのマイノリティーが50・4%(202万人)を占め、白人の新生児数49・5%を上回った。1990年のマイノリティーの新生児は37%だった。
 米国内のマイノリティー全体の人口は前年比で1・9%増の1億1410万人。全人口の36・6%を占める。
 州別では、カリフォルニアをはじめ、首都ワシントンDC、ニューメキシコ、テキサス、ハワイの5州でマイノリティーが過半数を占めた。うちトップはハワイ州の77・1%で、続いてワシントンDCの64・7%、カリフォルニア州は60・3%、ニューメキシコ州は59・8%、テキサス州は55・2%だった。
 一方、深刻な景気悪化や移民法の厳格化などで移民の数は年々減少しつつある。昨年のヒスパニック系やアジア系の増加率は2・5%で、2000年の4・2%から約半減した。アフリカ系の人口増加率は1%と横ばいだった。
 また05年~06年にかけ、住宅建設ラッシュの影響を受け建設業界での職を求めヒスパニック系移民が急増したが、2011年の調査結果では、フロリダ州レイクランドやノースカロライナ州シャーロット、ラスベガスなど、移民の増加が特に顕著だった30の都市すべてで、住宅バブル崩壊、建設業界の失業率増加とともにマイノリティーの数も減り、それぞれ増加率が減少していることも分かった。
 専門家は、米国に移民したヒスパニック系は比較的若いため、移民人口の減少が続く中、しばらくは高い出生率を保ち続けるとみている。しかし、このまま移民人口が減少を続け、ヒスパニック系の出生率も低下し始めれば、米国内の人種構成に大きな変化がみられるだろうと分析。マイノリティーの人口が白人を上回る「転換期」は、早ければ2040年ごろと言われていたが、今後の移民流入傾向とマイノリティーの出生率によっては、数年間先送りされる可能性も高くなってきた。
 加州は全米の中でもっともヒスパニック系人口が多く約1440万人。またロサンゼルス郡は、全米でもっともヒスパニック系人口が多い郡といわれ、約480万人が在住している。

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