内藤会長があいさつに立ち、すっかり社会に定着した同イベントが26回目の開催であることを強調し「みなさんの支援のお陰で、オレンジ郡の一大イベントとなりたいへん感激している」と謝意を表した。長寿者に向けては「おめでとう。みなさんの元気な笑顔を見ると、80歳とは思えず、若いパワーを発揮していて驚いている。長年にわたり偉大な業績を残してきた」と祝意を込めた。同協会ついて説明し「今後とも社会の役に立つことのできる活動を続けていきたい」と意欲を示し、継続した支援を呼び掛けた。
来賓として新美潤・在ロサンゼルス日本総領事が祝辞を述べた。最近の公務では、尖閣諸島の問題に対応しているといい「あまり明るくない仕事ばかりだが、こういうおめでたい席に招かれ、心が和む」と笑顔で話した。敬老表彰と文化奨学金の各受賞者に対し「心からお祝いしたい」と述べた。過去の赴任地よりも南加に長寿者が多いと感じており、その理由を「(温暖な)気候・風土と、コミュニティーがシニアを厚くサポートしていて、非常に印象づけられている」と独自に分析。日本で増加する独居老人についてふれ「深刻な社会問題になっているが、ここ南カリフォルニアではオレンジ郡日系協会が模範となり、シニアを厚く支えている。心から敬意を表したい」と称賛した。
80歳以上の敬老表彰者は、伊藤光子さん、岩田トミさん、神谷信能さん、河田昌さん、真井満雄、恵美さん夫妻、安田吉廣、美代子さん夫妻の8人。内藤会長から賞状を贈られ、大きな拍手に丁寧にお辞儀をして応えた。
内藤会長は同郡日系社会の発展について「日本人がこうして幸せに暮らせるのは、先人の方々のお陰である」と敬意を表した。イベントを振り返り「お年寄りの方々が笑顔で楽しんでくれて良かった。力添えになってくれたみなさんに感謝したい」。奨学金の受賞者2人には「立派な若者で、これからも精進し、オレンジ郡の日本文化を引っ張っていってほしい」と期待を寄せた。
イベントでは、企業や個人の寄付による各種アイテムや会員手作りのデザートなどが販売された。収益は、協会が推進する福祉や文化事業、各種奨学生制度などの活動を通し、地域社会の発展のために活用される。
オレンジ郡日系協会については、電話714・283・3551。
www.ocjaa.org/
より一層の精進誓う
文化継承者の両角さんと荻窪さん
日本文化継承者を支援する練尾日本文化奨学金は2002年に創設された。各分野で師範や名取りなどになる若者の育成を目的とする。その次世代を担う若者に対する奨学金の授与式を催した。今年は、書道十段の両角宥香さんと、剣道二段の荻窪啓之さんが受賞し、それぞれに1000ドルが授与された。
両角さんはUCサンタバーバラに通い生物学を学んでいる。書道は10歳の時から始め、米国書道研究会の生田観周、博子の両師匠に学び、約10年の経歴を持つ。習い始めは「ただ書いていただけだった」というが、努力を重ね10段に昇格。弱冠19歳の能筆家は「ハイレベルで習うようなって、(単なる文字ではなく)アートになった。形を崩してもいい作品ができるようになった。博子先生から日本文化と日本人の精神を教わったのが大きい」と感謝に堪えない。オ郡日系人協会については「日系社会は小さいと思っていたけど、皆が集まって助け合って、すばらしい」と称賛した。
荻窪さんは、栃木県矢板市で生まれ、11歳の時にオレンジ郡に移り住み10年が経つ。現在はUCアーバインで化学を専攻している。剣道は、9歳から道場に通い、現在は2015年の世界選手権に目標を定めている。剣道の醍醐味は「大会に向けてみんなで盛り上げて一丸となって練習し、チームワークを発揮して勝ったときがたまらない」と語った。同協会については「社会に必要とされる活動をしていて、自分もいつか手伝うことができればいい」と述べた。