全日本書初め展および産経国際書会新春展贈賞式に集まった米国書道研究会メンバーと来賓
全日本書初め展および産経国際書会新春展贈賞式に集まった米国書道研究会メンバーと来賓

あいさつに立つ生田会長
あいさつに立つ生田会長

 来年に創立50周年を迎える「米国書道研究会」(生田博子会長)は2月23日、産経新聞社と産経国際書会が主催する「産経国際書展」と、書道研究墨成会が主催する「全日本書初め展」の入選、入賞者を祝う贈賞式と同会の新年会を小東京のダブルツリーヒルトンホテルで催した。
 同会は、米国内における書道の普及を願い、故生田観周氏と生田博子夫妻が1965年に設立。以来、書を通じ日本文化と芸術を指導し続け、現在はロサンゼルス地区にとどまらず、サンノゼ、サンフランシスコ、シアトル、ポートランドをはじめ、バージニア州やハワイ、東京、大阪に支部を持つまでに成長した。
 23日の贈賞式には、在ロサンゼルス日本総領事館の須賀正広首席領事をはじめ、日系諸団体の代表らを迎え、両書展の入選、入賞者を祝すとともに、長年における同会の幅広い功績をたたえた。
 生田会長による賞状授与式の後、墨成賞を受賞した山本宗治さんと墨成大賞を受賞した奥達子さんが、受賞者を代表し謝辞を述べた。
 合気道を習っている日系3世の山本さんは、道場で見かける掛け軸や筆で書かれた漢字の読み方や意味を聞かれているうちに文字の美しさに魅了された。「武道に大切な精神統一が書道にも必要だと気付いた時、書道にさらに魅力を感じた」といい、「アメリカで書を通じ、美しい日本文化普及に努めていきたい」と今後の抱負を語った。
 墨成会の新春展において同人として最高賞を受賞した奥さんは、長年にわたり指導にあたってくれた故観周氏や生田会長に感謝の言葉を述べるととともに、「『生涯稽古』と言われた恩師のお言葉を胸に秘め、これからも目標を立て、日々書の追究にがんばりたい」と力強く語った。
 また全日本書き初め展では、米国書道研究会が団体最優秀賞を受賞。同賞が始まって以来、同研究会は毎年受賞しており、米国内における書道の普及と発展を日本にアピールしている。
 新年会では、奥達子さん、加柴律子さん、ラモス逸子さん、松永満智子さん、塚原和子さんの5人による仮名デモンストレーションが行われ、会場はその美しい文字に魅了された。
 生田会長は、文字の優美さだけでなく、墨の匂い、紙の美しさ、筆触り、また精神面など、書の奥の深さを理解し、道を進む生徒が増えてきていることを喜び、50周年を目前に「今は後継者を育てることに力をいれたい」とした。来年秋には日本からも来賓を招き、盛大な創立50周年記念祝賀会を予定している。
【中村良子、写真も】
奥達子さん、加柴律子さん、ラモス逸子さん、松永満智子さん、塚原和子さんによる仮名
奥達子さん、加柴律子さん、ラモス逸子さん、松永満智子さん、塚原和子さんによる仮名デモンストレーション

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