ロサンゼルス・ダウンタウンのメトロセンター駅と小東京駅間1・9マイルを地下でつなぐメトロのリージョナルコネクター事業(メトロレール接続)の起工式が30日、小東京の1街とアラメダの角にある敷地、通称「マングローブ」で開催された。2020年の開通を目指す。
俳優ジョージ・タケイ氏の司会で幕を開けた式典では、アンソニー・フォックス米国運輸長官をはじめ、ロサンゼルスのエリック・ガーセッティー市長、ジャニス・ハーン加州下院議員、グロリア・モリナ・ロサンゼルス郡参事、その他各市議やメトロ関係者らが集まり、ロサンゼルスの大きな懸念である交通渋滞や環境汚染緩和へ向けた大きな一歩を称賛した。
総工費約12億ドルをかけた同事業は、「ゴールドライン」の小東京駅付近と「ブルーライン」「エキスポライン」の7街/メトロセンター駅を約2マイルにわたって地下鉄で結ぶもの。開通後は、サンタモニカから小東京を通ってイーストロサンゼルスへ、またロングビーチから小東京を通ってパサデナ・アズサ方面へ直通で鉄道を利用できるようになり、利用者は乗り換えの必要が無くなり、大幅に時間が短縮される。
新ラインには、「2街/ホープ」「2街/ブロードウエー」「1街/セントラル」の計3駅が新設。開通に伴い、現在1街とアラメダの角にあるゴールドラインの小東京駅は取り壊され、1街/セントラルの地下に移動する。
小東京には家族経営のレストランが軒を連ね、アパートやコンドミニアムなど住宅も多く存在することから、長期間にわたる工事の影響を考慮し、メトロは情報センターをジャパニーズ・ビレッジプラザ内(1街とセントラル角)に開設。工事期間中、メトロ関係者が地元住民や事業主など、コミュニティーのさまざまな質問や懸念などに対応する。
同事業にはこれまでに、連邦政府から6500万ドル、さらに6億7千万ドルの補助金がそれぞれ交付された他、総額1億6千万ドルの低利ローンを受けることも決まっている。これら連邦政府からの補助金は総額9億ドルに上り、州から2億5千万ドルが見込まれている。残りは2008年の住民投票で可決された提案R(交通事業への資金提供のための売上税0・5セント増案)などから充てられる。
詳細はメトロのホームページで―
www.metro.net/projects/
【中村良子】