売却が決まった4施設の1つ、ボイルハイツにある「敬老引退者ホーム」と、その手入れが行き届いた美しい日本庭園(写真=中西奈緒)
売却が決まった4施設の1つ、ボイルハイツにある「敬老引退者ホーム」と、その手入れが行き届いた美しい日本庭園(写真=中西奈緒)
 4日夜、「敬老4施設」売却に関するエスクローがついに閉じられた。パシフィカ社への売却が成立し、引退者ホームは「ノーススター社」、中間看護ホームと看護ホームは「アスペン社」が運営を任されることになった。しかし、「守る会」とその弁護士グループは、引き続き、闘いを続ける姿勢を見せている。【中西奈緒、モニエ中地美亜】

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 4日午前10時半、ダウンタウンにあるロサンゼルス郡上級裁判所で法廷尋問が開かれた。エスクロー閉鎖を一時的に延期させる「一時的差止め命令」を要求するため、2つの申し立てが裁判官によって審議されたが、2つとも却下された。

 その1つは、「守る会」と敬老の居住者による申し立て、もう1つは州公正雇用住宅局が、敬老とパシフィカ社による人権侵害についてより十分な調査をするための申し立てだ。(法廷尋問の詳細は追って掲載)。

 この2つの申し立てが却下されたことで、4日の夜にエスクローが閉じられることになった。敬老のスタッフたちは上司からその報告を受け、8日(月)までに再雇用のための書類などを提出するよう指示されたという。

 2つの看護ホームの名前は「Kei-Ai Los Angeles HealthCare Center」「Kei-Ai South Bay HealthCare Center」に変更。中間看護ホーム、引退者ホームの新しい名前はまだ明らかになっていない。

 引退者ホームでは、5日のランチ時間にノーススター社の社長が訪れ、居住者全員の前であいさつをした。また、スタッフと居住者数が4施設の中で最も多いリンカーンハイツの看護ホームでは、アスペン社とスタッフとのミーティングなどが1日中、せわしなく行われたという。

 一方、「守る会」とその弁護士グループは、引き続き闘いを続ける。弁護士グループはすでに、売却承認を取り消すため、州司法当局を直接訴えるための書類を裁判所に提出している。また、「敬老が受け取った寄付金」に関わる裁判の準備も進められている。

 羅府新報社は敬老に対しコメントを依頼しているが、返答はまだ得られていない。

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