
ベルギーの首都ブリュッセルの国際空港と地下鉄駅で発生した爆破テロを受け、ロサンゼルスのエリック・ガーセッティー市長をはじめ、連邦捜査局(FBI)ロサンゼルス地区担当のデービッド・ボウディック副長官、ロサンゼルス市警察(LAPD)のチャーリー・ベック本部長らはLA市内各地でテロ対策の警備を強化することを明らかにし、市内の安全確保に万全を期す意向を示した。【吉田純子、写真も】
ニューヨーク市に次いで全米第2の都市であるLAでは今回のテロ事件を受け、警戒態勢が一層強まった。南カリフォルニア地区では昨年12月、LAからおよそ60マイル東方のサンバナディーノ市で銃乱射テロ事件が発生したばかり。
ガーセッティーLA市長はこれまでにLA市はテロの脅迫は受けてはいないとするものの、昨年のサンバナディーノでの惨劇が2度と繰り返されることのないよう、警戒態勢を強化すると話した。
また当地で活動するNPOや各ビジネス団体のほか宗教団体の代表者らも連携し、コミュニティーレベルで市民の安全を守るため各団体が協力する必要性があると訴えた。
LAX空港警察のファナンド・カストロ本部長は空港内で警備にあたる警察官の増員を図るとともに、警察犬のほかすべてのターミナルに爆弾物探知犬を出動させ、警備態勢をより一層強化すると話した。これまでのところLAXからヨーロッパ行きの空の便に遅れや延期などの影響は出ていない。
LAPDのベック本部長は、テロ攻撃を事前に発見するのはより困難になってきているとし、コミュニティーの協力が大きな手がかりとなるため、不審者や不審物を見かけた場合はただちに通報するよう呼び掛けた。またベック本部長は警察官による市内のパトロールを増やすことを発表した。
メトロでは乗降客数の多いユニオン駅のほかWillowbrook/Rosa Parks駅や7th Street/Metro Center駅で警備員数を増員したほか警察犬も出動して警備にあたっている。
NY市やワシントンDCなどの大都市でも、地下鉄などの公共交通機関で警備が強化され、現在厳戒態勢が敷かれている。