以前も書いたがここ5、6年のこと、日本滞在を終えてLAに向け成田を発つ時に「あー、またあれか」と思うようになった。あれとはLAの交通混雑の中の運転。近年、日本国内の交通事情は北海道から九州までの新幹線や各地の電車網など公共交通の広く緻密な発達により非常に良く、都会の街で車もバスも一日中不思議なくらいよく動いている。比較してLAはFWYも道路もよく止ってしまう程で悪くなる一方だ。
 LA以外でも米国の諸都市の交通事情は特に朝晩ラッシュ時の悪化を続けていて、中でもLA即ち南加一帯はどんどんひどくなる。とに角、FWYも道路も全然増えないのに人口と車の増加がすごい。公共交通のバスは混雑に拍車をかけるし電車は路線が限られとても乗り継いで何処でも行ける状態ではない。
 何といっても加州の人口の増加は驚異的で僕が初めて仕事で米国に来た70年当時の人口は1900万人程だったが、現在は約4千万近くに膨れ上がった。少子高齢化の日本と違い移民が押し寄せる米国の人口は今後も増加が見込まれ、中で加州への集中傾向は今後も続く模様だ。州や市では電車の増設や高速鉄道の敷設計画があるが部分的で抜本策になりそうもない。
 ここ数年日本で注意して観察していたが都会の道路でも車は多いがいつもどんどん動いていて、朝晩のラッシュアワー時も大した混雑がない。なぜかと考えたら、米国では大多数の勤労者が自分の車で通勤してラッシュアワーとなるが、日本の都会の勤労者でマイカーで通う人はほとんどいない。(ちなみに日本で見たテレビ番組によると日本の若者は車を所有することに興味がなくなっており、車の販売台数も伸びていない。カーシェアリング普及の影響もあるが都会で車は必要ないと考え、車所有への憧れがなくなっている。若者は昔のマイカーという言葉を知らず、教わると「かっこ悪い」と反応していた。若者層の成熟かそれともエネルギーの低下だろうか。)
 今回もLAXへはFWYの上でもう車が止まりターミナルに着く迄大変だった。成田へは都心から車が一度も止らずターミナルにすーっと着いた。【半田俊夫】

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