一般社団法人倫理研究所は「企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を」をスローガンに、日本全国に約6万7千の会員企業を抱える。倫理経営を学び実践し、その輪を広げる活動に取り組んでいる。海外は米国、ブラジル、台湾に活動拠点を置く。南加では週1回早朝の経営者モーニングセミナーと、月1度夜の経営トップセミナーを開いている。
設立式典では、倫理研究所本部からカリフォルニア州倫理法人会とLA倫理法人会へそれぞれ認可書と「行動旗」(会の旗)を授与、会の各役職者には委任状が交付され、晴れて発会した。
倫理研究所本部の伏木久登研究員が祝辞を述べ、南加における倫理法人会の活動が一昨年から順調に展開していることを高く評価した。「飯田会長と山本会長をはじめとする役職者がチームワークよく、各人が個性を存分に発揮している賜物である」とたたえ、いっそうの発展に期待を寄せた。
飯田会長は、一昨年の南カリフォルニア倫理法人会の設立以来、約70社という多くの支援を受けたことを喜び「全米1万社を目指して頑張りたい。決して夢ではない。倫理の運動・輪を広げていきたいと思う」と、目標達成に意欲を示した。二十数年の歴史を持つ倫理研究所USA(1995年設立)だが、米国で初めて設立され長年にわたり地味な活動を継続する「家庭倫理の会」をたたえ「諸先輩のみなさんが、倫理の火をずっと消さずに灯し続けてくれたおかげ」と敬意を表した。倫理の研究について改めて「こんなに素晴らしい学びと活動はないと感じている。一緒に日本の心、倫理の心・運動の輪を広げよう」と呼びかけた。
丸山理事長が「『心眼』をひらく」と題した記念講演を行った。心眼を開くには「相手をよく見つめること」と強調し、好結果をもたらす次の4点を挙げた。①相手の欠点の考えが変わり、別の感情が働き憎めなくなる。②愛が生まれ、つながりが強まり愛が育まれる③問題解決が早まる。問題の原因を知ることが大事だが、変えるのは自分であり相手を変えることはできない④祈り心が深まる。「祈り」は、自分の願望・欲望が叶う「願い」とは異なる。
倫理法人会は、宗教団体と誤解されることもあるが、「宗教は信仰心があリ、信じるという心の働きにより、いきなり神、仏とつながる。信じるという心がつなげている」と指摘し、宗教法人とは一線を画す。「倫理は信じる必要はない、その通りになるかどうかやってみてほしい」と呼びかけた。
「先行きの見えない大変動の時代だからこそ、見えない次元・世界が見えるような心眼を開く努力をしたい。自分にとって力になり、また地域、国にも役に立ち力につながる」と力を込め「一人では自分を磨くことはできない。一緒になって磨く学びをしたいと思う」と、協調を訴えた。
LA倫理法人会の山本会長は、丸山理事長から激励を受け「身の引き締まる思いで、気分を一新して『頑張るぞ』というやる気が沸いてきた」と述べた。会の運営については、経営者で構成する組織をまとめるため「重い責任を感じる」としながら、若い新規会員の獲得に意欲を示した。30年間におよぶ会社経営の経験から「経営には倫理が必要。倫理に則った経営をするために互いに研さんを積み、地元日系社会と日米の発展のために貢献したい」と抱負を述べた。
式典後は、地元政財界から来賓を招いた祝賀会を開いた。先の中間選挙で再選を果たしたばかりのアル・ムラツチ加州下院議員らが祝辞を贈りカリフォルニア州、LA両倫理法人会の門出を盛大に祝った。
カリフォルニア州倫理法人会の問い合せはは、メール―
rinri4U@gmail.com
【永田潤、写真も】