新しい年が明け、新年のお正月は抜けるような青空が三が日続き、良い年への期待が広がる。2日には皇居で恒例の一般参賀があり、今上天皇最後の新年のごあいさつがあった。4月1日には新元号が発表され、5月1日に新天皇が即位される。今上天皇と美智子皇后は、昭和天皇の後を継いで実に真しに全国に行幸され、海外の戦跡にも慰霊の旅をされた。沖縄は最後の激戦地で軍のみならず住民にも多大の犠牲者が出た。戦後も占領が続き、いまだに多くの米軍基地が存在する。両陛下の沖縄訪問は11回に及んだ。また昨年は台風被害が全国に相次ぎ、両陛下は休む間も無く各被災地を見舞われ励まされた。常に国民に寄り添い、その安寧と幸福を祈り励ます、まさに「日本国および日本国民統合の象徴」としての役目を果たされた。国民の一人として、私も心から両陛下に敬意と感謝の念を捧げたい。
 お正月には国民の約8千万人が初詣に行くそうだ。記録によると2009年に9939万人を突破し、警察庁は以後発表を取り止めた。参拝者は晴れ着をまとい、神妙に神前に頭を下げ新年の幸せを祈る。お賽銭を投げ柏手を打って拝礼し、家内安全、商売繁盛、健康祈願、合格祈願と実にさまざまな願いをする。いくら神様でも、これだけの願いを聞くのは至難の技ではないかと余計な心配をする。だから自分は「今年はこうありたい」と神前に自らの決意を誓うことにした。
 トランプ大統領の自分ファーストが火をつけ、世界各地で国益重視の動きが広がっている。各国で右派が台頭し現政権は対応に苦しむ。難民や少数民族への風当たりは強くなり、国際協調は後退する。この現象は何だ? 人類は大きな戦争のたびに「もう戦争はゴメンだ」と協定を結び国際連盟、国連を生み出したはず。しかし、国と国、人と人の間に大きな格差ができると摩擦が起き、民族や宗教問題が絡んで争いが発生する。それは煽られてやがて戦争となる。歴史をたどるとまさに「懲りない人間」である。
 2019年はお正月のように晴れ渡った年であってほしい。新天皇の誕生する年に世界の平和と人々の幸福を願いたい。【若尾龍彦】

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