世の中にはいろいろなサイクルがある。僕の場合、ロックに目覚め、ギターにのめり込み、バンド活動、ソロ活動、オリジナル曲を増やし、プロデューサーやミュージシャンを見つけ、スタジオで録音。自分でレコード会社を立ち上げ、アルバムをリリース。このサイクルができるのに20年以上かかった。
そして、このサイクルを経たアーティストたちのアルバムリリースをしたが、それはある意味でワンサイクルを完了させるという点で、重要な役割を果たしたと思う。ただ、それをビジネスとして成功させるのは困難だった。そこで、イベントの仕事を始めた。これも、コンテンツを見つけ、企画、マーケティング、運営、開催するという一つのサイクル。そしてこのサイクルは、他の分野のイベントでも応用できた。アニメコンベンション、日本の文化行事、映画祭、ダンスイベント、クルーズ、フェスティバル、東日本大震災が起きてからは震災に関係する講演会、上映会、チャリティーなど、さまざまな分野のイベントをひたすらこなした。
イベントを始めた頃はニューヨークだけで展開していたが、この経験を繰り返して学んだノウハウは他州でも生かすことができると知る。特に映画祭は、東のボストンから、西のロサンゼルスまで、15都市以上で開催できるようになった。さらに、人脈を広げると、活動範囲(地域)もおのずと広がる。それは人が1カ所にとどまらないこと、また、その人に関わりのある家族、友人、知人が他の地域に存在しているからだ。
例を挙げれば、ニュージャージーの図書館で映画上映会を開催した時、ディレクターがサンフラシスコ図書館に勤務する友人を紹介してくれ、同じ映画をサンフランシスコで上映させてもらった。また、ある時はニューヨークの音楽ライブの会場で知り合ったプレス記者が紹介してくれた旅行会社の人が、ワシントンのイベントの仕事を任せてくれ、その後も、お付き合いが続いている。
人生は一度しかない。同じサイクルをただ繰り返す毎日にならないよう、常に新しいことにチャレンジしていたいと思う。(河野 洋)
