研修生は地元の日系企業や市役所など各所を訪問して貴重な経験を積み、視野を広げ国際感覚を養った。初めての研修先としてロサンゼルスが選ばれた。プログラム作成には同校卒業生で南加大分県人会会長の會田ジーン裕二さんが携わるなど、県人会会員も協力した。
研修生は、書類審査で選ばれた3年生の岩下凛さん、白井結衣さん、松原由依さん、橋本和秀さん。4人は、日系企業やロサンゼルス港、ビバリーヒルズ市役所などを訪問し見聞を広めた。帰国前日には、同県人会会員を前に研修の成果を発表した。
白井さんが最も印象的だったのは、カリフォルニア大学アーバイン校での語学研修だった。「韓国や中国から来た大学生の英語が上手なことに驚いた。英語が話せればどんな人とでも仲良くなれるのだということを確認し、ますます英語を頑張ろうという気持ちになれた」と語る。最後はミニ卒業式も経験したという。
ビバリーヒルズの市庁舎では議会の椅子に座るというまれな経験も。サンヨー食品の工場を見学した際には、日系企業の現地での活動のすごさを改めて実感した。
白井さんは「今回の研修を経て、国内で過ごすのは物足りないかもしれないと思うようになった。今は国連に興味を持っている」と心境を述べた。
岩下さんは、ロサンゼルス港で案内役を務めた森本政司さんから、日系米国人が戦時中に送り込まれた収容所について教わり「こちらの人が私たちを快く受け入れてもくれるのも、日系アメリカ人や長く住んでいる日本人の努力があってのことだと知った」「自分自身も海外で働いてみたいという将来像をイメージするようになった」と話し、研修が今後の進路にも影響を与えたと振り返った。
橋本さんは「アメリカのいいところ、日本のいいところ、その違いを学んだ。日本に帰ってから、アメリカのいいところをどういうふうに取り入れていくのか、考えて実践したいと思う」と、手応えをつかんだ様子で語った。
その後、研修生から県人会会員へ、長年当地に住む永住者、または駐在員として暮らしている上で、「自分が変わった点は何か」となどの質問が向けられた。会員は「日本と違い、問題が起こった時には自分が主張しないと何も解決しない。自己主張をするようになったのが大きな違い」と、多くが共通の答えを口にした。
続いて、就労ビザや永住権、市民権、医療、保険面での日本との違い、米国の制度について情報交換が活発に行われると、研修生は熱心にメモを取っていた。
創立102年の大分県人会は、活気のある会を目指し、メンバーを募集している。同県出身者はもちろん、大分に興味やつながりのある人も歓迎している。連絡は會田会長、電話949・654・0742、または714・697・3142。メール―
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