沖田会長の熱唱を盛り上げて会場を練り歩き、募金箱を手に熊本地震の復興のために協力を求める関西クラブ会長の藤本章さん(右)ら参加者
 今年で設立118年目を迎えた南加熊本県人会(沖田義邦会長)はこのほど、セリトスのリバティーパークでピクニック催し、参加者130人が集い和気あいあいと親睦を深めた。熊本地震の復興支援の募金活動を行い、1370ドルを集めた。

熊本地震の被害者に黙とうを捧げる参加者
 沖田会長があいさつに立ち、今年は元会長の豊田智さんが他界したが、後を継ぐ若者が育っているとし期待を寄せた。2年後の120周年記念に向けて団結し盛り上げることを呼びかけた。
 来賓の松尾浩樹首席領事が祝辞を述べ、1901年の創設以来、長年にわたり、県出身者、県、そして日系社会との絆を大切にしていることを評価した。会員の復興支援については「県人会の継続的かつ活発な活動に敬意を表し、復興が進むことを願っている」と話した。
 7月に帰郷した安藤みちよ副会長が、復興状況を伝え県人会の復興支援活動を報告した。仮設住宅居住者はピーク時は約4万7千人に上ったが、8月には約8900人に減少。熊本では今秋、ラグビーワールド杯の試合や女子ハンドボール
熊本地震の被災地の復興状況と県人会の支援活動を報告する安藤みちよ副会長(右)と通訳の池内直之さん
世界選手権などの国際イベントも開催され、またアジア各国からの訪問者も多く、観光客が戻ってきている。修復が進む熊本城ついては、10月末から特別公開第1弾が始まり、期間限定で天守閣の外観から拝観が可能で、来年4月には特別通路からの展望、また再来年春には完全復旧し、エレベーターによる上階からの展望も可能となり、急ピッチで作業が進められていることを紹介した。
 県人会の活動は、復興支援と重ね多忙を極めた。3月の新年会、4月は震災3年イベントとトーランスで開催された「Tulip in Harmony」 (小澤奈緒美代表)のチャリティーコンサートでの募金活動、同団体からは収益1250ドルが県人会に贈られた。5月にはサンペドロでミカエラカイフラメンコ(ミカエラカイ代表)のチャリティーリサイタルから収益1750ドルを義援金として寄付され、7月にトーレンスで開催された夏祭りに参加し、熊本民謡おてもやんとサンバおてもやんを踊る参加者を募り、パフォーマンスをし参加費を募金とした。
 今年の募金活動では、半年で約3千ドルを集めた。地震発生以来、熊本県人会会員が運営する震災支援ボランティアグループ「LOVE FOR KUMAMOTO IN LA(安藤みちよ代表)」は年9月1日までに3万9千948・8ドルを送った。支援活動は開始当初は5年間と決めていたが、安藤副会長は「できれば仮設住宅者がゼロになるまで継続したいと願っているので、引き続き協力と支援をお願いしたい」と呼びかけた。
ケータリングサービスのさまざまな料理を楽しむ参加者
 食事は、ケータリングのさまざまな肉料理や野菜料理、パスタ、カレー、デザートがテーブルに並んだ。また、会員がBBQグリルを使って肉などを焼いて振る舞い、デザートは各種フレーバーのかき氷を用意し充実のメニューで好評を得た。
 プログラム後半の余興では、芸達者の会員のアーティストらによるエンターテインメントがステージで繰り広げられ、ピクニックとは思えないほどの盛り上がりを見せた。竹嶺会の民謡に始まり、ミカエラカイフラメンコグループのダンス、小澤奈緒美さんのサックス演奏、饒波教子さんの歌、藤村美月さんの歌、そして沖田会長は演歌(北島三郎の「まつり」)を歌いながら会場を回り、募金箱を回した。最後に熊本民謡おてもやんとサンバおてもやんを踊り、参加者が踊りの輪に加わって会場を練り歩き、一体感のある空気に包まれた。
北島三郎の「まつり」を歌い会場を沸かせた沖田会長。熊本県人会の「サブちゃん」は人気者
大人たちがエンターテインメントで盛り上がる中、子供向たちはゲームに熱中した。
 会の最後はラッフル抽選会を開き、参加者全員にコメやワイン、くだもの、現金など多くの景品が当り、満足の笑顔とともに閉会した。
 イベント幹事を兼任する安藤副会長が、閉会の辞を述べた。今後の活動計画を説明し、120周年記念行事を控え、記念誌や記念動画を制作するプロジェクトを開始しているという。「みなさんと一緒に南加熊本県人会の歴史を作っていきたい。故郷の復興を願いつつ、県人会がさらに発展できるよう、記念プロジェクトと県人会の活動への積極的な参加をお願いしたい」と呼びかけた。
熊本県人会のピクニックで親睦を深めた参加者130人。会員は熊本地震の復興支援活動の継続を誓い、士気を高めた

フラメンコダンスは、参加者が飛び入り参加し踊り盛り上がった

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