新型コロナウイルスの感染拡大に伴う自宅待機令は、当初は3月末までと定められたが、次々に延長された。そして先日、LA郡で規制がなくなるのは、7月の見通しと聞いた時は、その長い期間にショックを受けた。感染者数はまだ増え続けていて、先行きが見えない中では致し方ないのか。制限は感染状況で判断し、段階的に緩和されることだろう。
大きな打撃を受けている経済、特に条件付きだが営業を再開した小売店には朗報だが、気は抜いてはならない。マスク着用やソーシャル・ディスタンシングの確保、消毒を徹底して、今後も不要不急の外出は極力避けなければならない。少しの気の緩みが、感染爆発につながりまた、第2波を呼び込みかねず、そうなれば今までの努力が水の泡となってしまう。
加州よりも先に再開した州で感染者数と死者数が増えているのが気掛かり。政治的な思惑で再開してはならないことを祈っていたが、その逆のことが起こってしまった例もある。外出と営業を規制した州が訴えられ、違法と見なされ解除されるというから恐ろしい。
私が在宅勤務を始めてもうすぐ2カ月が経過する。先日、会社のある小東京を、約1カ月半ぶりに訪れた。車に乗るのは1カ月ぶりで、運転に違和感を感じるほどだった。フリーウエーは渋滞無しで、朝の通勤時間の3分の1で着き、この交通量の少なさなら、アメリカの都市部で大気汚染が減少しているのが理解できた。
コロナの対策を機に働き方や生活様式が大きく変化すると言われているが、在宅勤務を経験して、なるほどと納得する。会議はコンピューターででき、移動時間と交通費は節約され、ガソリン車の交通量が減って空気は澄み環境にもいい。プライベートの時間は増えるだろうし、これからが楽しみ。
これまで経験したことのない窮屈な生活はこれからも長く続くことを覚悟して、治療法が見つかり、ワクチンが開発されるまでは、じっと耐えるしかない。郡や市が出すガイドラインをしっかりと守り、いま一度、感染防止策を徹底しなければ、終息はやってこない。【永田 潤】